元イングランド代表FWウェイン・ルーニーが、今季のリバプールに“懸念の兆候”が見えると語った。チームは結果こそ出しているものの、内容面では昨シーズンとは異なる課題を抱えているという。
「何かが噛み合っていない」
「リバプールは試合に勝ってはいたけど、昨シーズンのような勝ち方ではなかった。そこには少し不安な兆候が見えていたと思う。」とルーニー。
「何かがうまく噛み合っていないようなサインがあったんだ。ここ1週間の結果がまさにそれを示している。監督は起用している右サイドバックを誰も完全には信頼していないように見えるし、フロリアン・ヴィルツの加入によって昨シーズンの中盤のバランスが崩れてしまったのかもしれない。新しい選手たちが入ってきて、“毎週勝つ”というメンタリティを身につけなければならないという点で、今のリバプールには大きな課題があると思う。チーム全体でしっかり向き合って、修正していかなければならない。」
「勝つのが当たり前」という意識を持てるか
ルーニーはまた、今夏に加入した選手たちがリバプールの“勝者のメンタリティ”にまだ適応できていない可能性を指摘した。
リバプールは今夏、**7人の新戦力に総額約£446m投じており、いずれも主力候補と目されている。
「多くの新しい選手を一度に加えると、常に“メンタリティ”の話が出てくるものだ。リバプールのようなビッグクラブに来たら、毎試合勝つことが当然として求められる。僕自身、エヴァートンからマンチェスター・ユナイテッドに移籍した時にそれを痛感した。エヴァートンでは2連勝すれば『次』は負けても仕方ないか』と気が緩むこともあった。でもユナイテッドではそうはいかない。タイトルを狙うクラブでは、“毎試合勝たなければならない”という意識が必要なんだ。」
さらにルーニーは、新加入選手の多くがまだその切り替えに慣れていないと分析する。
「リバプールに来た選手の中には、試合に勝ってもそれに満足してしまう者もいる。でもビッグクラブでは、勝った瞬間に次の試合を考え始めなければならない。勝利を喜ぶのはシーズンが終わってからでいい。新加入選手にとって、そのメンタリティをいかに早く身につけるかが鍵になる。」
イサクとエキティケへの評価
また、ルーニーはリバプールの攻撃陣についても言及。
特にアレクサンダー・イサクとウーゴ・エキティケのプレースタイルの違いに注目した。
「イサクはニューカッスルでは裏へのスペースを狙って走り込むタイプだった。トランジション(攻守の切り替え)を重視したチームで、自分のスピードを生かせた。でもリバプールでは相手が守りを固めてくる。スペースがほとんどない中で、ゴールに背を向けてプレーしなければならない。 それにはより“考える力”が必要になる。」
一方で、エキティケについては高く評価している。
「エキティケは本当に素晴らしい。 彼はどちらかといえば“10番タイプ”の選手で、小さなスペースをうまく使うプレーができる。それが今のリバプールでの成功につながっている。」
“勝者のメンタリティ”を取り戻せるか
ルーニーの言葉は、リバプールが抱えるチーム再構築の難しさを物語っている。
多額の補強を経て新たな時代を迎えたスロット監督のチームは、個の力に頼らず、再び全員が「勝つのが当然」と思えるメンタリティを取り戻せるかが問われている。
こちらの投稿は上記の記事を引用しています。
コメント