フロリアン・ヴィルツが語る“原点”と“夢”
リバプールの若き才能、フロリアン・ヴィルツ
ドイツ代表でも新たな創造の中心として注目を浴びる彼が、母国メディアの特集の中で自身の**「原点」と「夢」**を語った。
そこには、彼を育てた恩師たちの存在、そして彼がリバプールを選んだ理由の一端が隠されていた。
ケルン時代の恩師たちが語る「才能の原石」
ヴィルツがキャリアの基礎を築いたのは、地元クラブFCケルンのユース時代だった。
当時の指導者であるマルティン・ヘックとマルクス・ダウンの2人は、彼の可能性をいち早く見抜いていた。
2019年、ケルンU-17でドイツ選手権を制覇した際、ヴィルツはヘック監督のもとで“10番”としてチームを牽引。
当時を振り返り、彼はこう語っている。
「彼(ヘック)はいつも僕たちのそばにいて、特に僕を励ましてくれた。ピッチ上では自由を与えてくれたんだ。ストライカーの後ろ、いわゆる10番の位置でプレーするように置いてくれて、思いきりやらせてくれた。マルクス(ダウン)も同じで、2年目のU-17では僕がキャプテンも務めていた。」
「バロンドールを獲る」──少年時代から変わらぬ志
一方、マルクス・ダウンは映像インタビューの中で、当時のヴィルツとの印象的な会話を明かしている。
「ある日、選手たち一人ひとりに“将来の目標は何か”と聞いたんだ。チームメイトの多くは“今年はドイツチャンピオンになりたい”とか“スタメンに入りたい”と言っていた。
でもフロリアンはこう言ったんだ。
『僕は将来バロンドールを獲る』ってね。普通なら“現実的に考えよう”って言うところだけど、彼の場合は違った。“そのまま進め。君ならきっと世界の頂点に行ける”と伝えたんだ。最初から彼は世界のトップに行くと分かっていた。」
これを受けて、ヴィルツは笑いながらこう語る。
「子どもの頃は毎日のように“バロンドールを獲る”って言ってたんだ。」
この言葉には、彼が今も持ち続ける揺るがぬ野心と信念がにじむ。
円満な別れ、そしてリバプールという新たな挑戦へ
また、同特集の中でヴィルツは、移籍の背景についても言及。
バイエルン・ミュンヘンではなくリバプールを選んだ理由の一端が見えてくる。
「レヴァークーゼンを良い形で去れたことを本当に嬉しく思っている。もし逆の形だったら、きっととても悲しかったと思う。僕たちは本当に素晴らしいことを一緒に成し遂げたし、最後はお互いに信頼し合い、誠実に話し合って最善の形で移籍を決めた。最終的に全員が幸せだった。それが僕にとって一番大切なことなんだ。」
この言葉からは、若くして成熟した人間性とプロ意識が感じられる。
リバプールへの移籍が「挑戦」であると同時に、「感謝に基づいた選択」であったことが伝わってくる。
10番として、世界の頂へ
「10番の位置で自由にプレーすることが自分のスタイル」と語るヴィルツ。
その原点はケルン時代にあり、夢はあの頃から変わらない。
いま、彼はレッズの赤いユニフォームをまとい、少年時代に誓った世界の頂点を本気で目指している。
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