イングランド黄金世代の2人が、再び“あの時代”について語った。
元マンチェスター・ユナイテッドのウェイン・ルーニーが、リバプールのレジェンドのスティーブン・ジェラードの発言に反論した。
ジェラードは先日、リオ・ファーディナンドのポッドキャスト番組でイングランド代表時代を振り返り、当時のチームをこう評していた。
「俺たちは“エゴまみれの敗者”だったと思う。」
「違うと思う」──ルーニーが見た“真実のロッカールーム”
この“自己批判”とも言える発言に対し、ルーニーは冷静に、しかし力強く反論した。
「そこまで言うのは違うと思う。ただ、彼の言いたいことは分かる。あの頃のチームには大物が多すぎた。振り返ればもっとやれたと思うけど、それが現実さ。態度が悪かったわけではないし、全員がハードワークしていた。ただ、当時はリバプールとユナイテッドの選手が仲良くなるのは難しかった。」
ルーニーは、クラブ間のライバル関係がチームの一体感を妨げた可能性には理解を示しつつも、選手たちが“怠慢”だったという印象は明確に否定した。
⚽ 「全員が戦っていた」──ルーニーが語るチームの絆
「俺はスティービー(ジェラード)とはよく話していたし、みんな普通に仲良くやっていたよ。もちろん、ベッカムやギャリー・ネヴィル、スコールズなんかはリバプールの選手たちとは距離を置いていたけどね。でも全員が同じ方向に走って、戦っていた。それが足りなかったとは思わない。」
ルーニーは、当時のチームにあったのはエゴではなく誇りだったと語る。
強烈な個性のぶつかり合いの中でも、
「互いをリスペクトしながら戦っていた」と強調した。
ジェラードの“本音”──「なぜあの頃、もっと繋がれなかったのか」
一方でジェラードは、当時を“悔しさ”とともに振り返っている。
「今テレビでキャラガーとスコールズが並んで笑ってるのを見ると、まるで20年来の親友みたいに見えるよね。昔はリオ(ファーディナンド)と15年も代表で一緒にいたのに、今のほうが親しいと感じるくらいだ。20歳の頃、なぜ仲良くなれなかったんだろう?それはエゴか?ライバル心か?今でも不思議だよ。」
ジェラードが語るのは“責め”ではなく“反省”。
もし当時の選手たちがもっと自然に心を開けていれば、
イングランド代表はより遠くまで行けたのではないかという後悔の色が見える。
それでも──「エゴ」ではなく「誇り」があった世代
ルーニーとジェラード。
2人の発言は相反するようで、実は同じ場所を見つめている。
一方は「もう少し上手くやれたかもしれない」と振り返り、もう一方は「それでも俺たちは全力を尽くした」と語る。
クラブの垣根を越え、今もなお語り継がれる“黄金世代”。
その熱量と矜持こそ、いまの若きイングランド代表が受け継ぐべき財産だ。
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