リバプール育ちの若きMFが語った、人生を変えた一本の電話
リヨンで輝きを放つタイラー・モートン
彼の現在の成功は、かつてその才能を信じてきた人々にとって驚きではない。
だが、そんな彼のキャリアの中で“特別な瞬間”を挙げるなら──それは、昨夏にかかってきたシャビ・アロンソからの電話だった。
ゴルフ中に届いた“信じられない着信”
「ゴルフ場で友達とプレーしてたんだ」
モートンは当時を振り返りながら笑う。
「エージェントから『アロンソがすぐに電話する』ってメッセージが来てさ。リバプールを離れる話も耳にはしてたけど、実際に移籍する予定はなかったんだ。」
「いいショットを打って“今日は初めてパーを取れるかも!”って思ってた時に電話がかかってきた。結局プレーを中断したけど、あれは間違いなく価値があったよ!」
まさかの“ゴルフ中の出来事”が、彼にとって人生を変える一本の電話となった。
アロンソが示した“信頼と敬意”
ブンデスリーガで歴史的優勝を果たしたバイエル・レバークーゼンのシャビ・アロンソ監督は、リバプール・アカデミー出身のモートンを高く評価していた。
「彼(アロンソ)は俺をすごく評価してくれていた。『君のことが大好きだ』って言われたんだ。本当に夢みたいな瞬間だった。彼らは本気で俺を取りたがっていた。」
モートンにとって、幼い頃からアンフィールドのスタンドで見つめてきた“憧れの選手”からの電話は、自分がどれほど成長したかを実感させる出来事でもあった。
“夢の移籍”は叶わず──それでも得た確信
当時、リバプールはレバークーゼンから届いた1年ローンの提案を慎重に検討していた。
同時に、アタランタやRBライプツィヒなど複数の欧州クラブも関心を示していたが、
最終的に移籍は実現しなかった。
モートンはその時の複雑な気持ちを隠さない。
「レバークーゼンが動いたのは少し遅かった。リバプールは俺を残したがっていたし、監督(スロット)とも話した。でもあの電話で“自分は認められている”って確信できたんだ。」
結果的にリバプール残留となったが、この経験がモートンにとって大きな転機となったことは間違いない。
「子どもの頃に憧れた選手が、自分を欲しがっている」
かつて、少年モートンはアンフィールドのスタンドでシャビ・アロンソのプレーを夢中で追いかけた。
試合後は地元ウォラジーの公園に走り、父親にパスを出しながら“アロンソの真似”をしていたという。
「彼は他の誰とも違っていた。だから僕はいつも彼を真似していた。」
そして十数年後、憧れの選手本人から「君を評価している」と電話をもらう──。
それはまさに、“夢が現実になった瞬間”だった。
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