日本滞在中に届いた一本の電話から始まった、新しい旅立ち
22歳のタイラー・モートンは、リバプールで育ち、17年を過ごした“生え抜き”だ。
その少年が、ついにアンフィールドを離れる決断を下した。
彼のリバプール最終章は、感傷と感謝、そして新たな希望に満ちていた。
「日本でリヨンからのオファーを受けた」
U-21欧州選手権で優勝を経験した後、モートンはリバプールのアジアツアーに帯同。
その滞在先で、運命を変える知らせが届く。
「日本にいたときに、エージェントから“リヨンが買いたいと言ってる”と連絡が来た。も俺の気持ちを理解してくれていて、送り出してくれた。」
モートンはすぐにリヨンのパウロ・フォンセカ監督と連絡を取り、直接の言葉に心を動かされた。
「監督と話したら、『君はすぐに試合に出ることになる』って言われた。そこからは毎日エージェントに電話して、移籍を進めたよ。」
クラブの信頼と自分の覚悟が噛み合い、話は一気に前進していった。
17年間の感謝──そしてリヨンへ
2024年8月5日。
モートンは17年間所属したリバプールを正式に退団し、オリンピック・リヨンの新戦力として発表された。
「その日は感情が入り混じってた。リバプールでは多くの時間を過ごしてきたし、全員に直接“ありがとう”を言いたかったけど、飛行機の時間があって叶わなかった。でも感謝のメッセージを送ったよ。」
別れは慌ただしかったが、気持ちは穏やかだったという。
「監督やチームメイトとはしっかり別れを言えた。みんな素晴らしかった。ロボ(ロバートソン)やハーヴェイ(エリオット)、ケレハーには特に支えられた。どんな時も冗談を言って俺の気を楽にしてくれた。」
最後の日、涙は出なかった。
だが心の中には、深い喪失感が残った。
「心の中では“もうこの仲間たちと一緒にプレーできないんだ”って実感して、それが一番きつかった。」
リバプールからの“粋な贈り物”
移籍からしばらくして、モートンのもとにクラブからある特別な荷物が届いた。
それは、リバプールが20回目のリーグ制覇を達成した際のプレミアリーグ優勝トロフィーのレプリカだった。
前面には、彼の名前と背番号が刻まれていた。
「本当に粋な計らいだよ。サッカー的には厳しいシーズンだったけど、人として支えてくれた周囲の人たちには感謝してる。」
リバプールは、試合出場の多寡ではなく、クラブの一員として歩み続けたモートンの努力を称えたのだ。
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