― 「彼は心とエゴで決断した」リバプール元コーチ、苦戦続く母国での挑戦
リバプールでアルネ・スロットの下、プレミアリーグ制覇を支えたコーチ、ジョン・ハイティンハ。
今夏、彼は母国オランダへ戻り、アヤックスの監督として新たなキャリアをスタートさせた。
しかし、その門出は決して順調ではない。
現在アヤックスはエールディビジで開幕9試合を終えて4勝・3位。
さらにチャンピオンズリーグでは開幕2連敗と、苦しいシーズン序盤を迎えている。
そんな中、ハイティンハの代理人であるロブ・ヤンセン氏が、ポッドキャスト番組『KieftJansenEgmondGijp』で「就任に反対していた」と明かし、話題を呼んでいる。
「今のアヤックスには行くべきじゃなかった」
ヤンセン氏は、番組内で次のように語っている(Soccer News経由)。
「彼には“今アヤックスへ行くべきではない”と言ったんだ。それでも彼は、エゴとクラブへの愛情、感情に突き動かされて決断した。若い監督によくあることだよ。『自分なら立て直せる』と思ってしまうんだ。」
「だが、彼が直面したのはクラブの“過去の遺産”と“深刻な混乱”だった。経営体制も取締役会も崩壊状態で、クラブ全体がまだ方向を見失っている。」
アヤックスの現状:「崩れたバランス」と「高齢化」
ハイティンハが就任したアヤックスは、2022年のリーグ優勝以降タイトルから遠ざかり、
戦力面でも大幅なリビルドの真っ最中だ。
ヤンセン氏は、チーム構成そのものにも問題があると語る。
「彼の手元にいる選手たちは、補強で加わったメンバーを含めてアンバランスな構成だ。ベテランは衰え、コンディションが整っていない。仮に(FW)ドルベリを連れてきたとしても、またケガをしてしまうだろう。だから、“期待値を下げる”必要があるんだ。」
リバプールでの成功と、アヤックスでの現実
ハイティンハは現役時代、アヤックスで通算218試合に出場。
引退後はアカデミーの育成部門からキャリアをスタートさせ、2023年にはトップチームの暫定監督として采配を振るった。
その後、ウェストハムやリバプールでコーチ経験を積み、昨季のプレミアリーグ制覇に貢献。
「監督としての準備は整った」と確信して母国復帰を決断したが、クラブの混乱と戦力難がその理想を阻んでいる。
リバプールとの関係、そして今後
リヴァプールファンの中には、昨季スロット体制の成功を共にしたハイティンハの“再合流”を期待する声もある。
しかし、現実的にはすでにジョヴァンニ・ファン・ブロンクホルストが後任コーチに就任しており、彼もフェイエノールトやレンジャーズで監督経験を積んだ実績者だ。
さらに、アヤックスには現在リバプールからのレンタル選手――
ヴィチェスラフ・ヤロシュとジェームズ・マッコネル――が在籍しているため、
クラブとしてはハイティンハ体制が今季いっぱいは続くことを望んでいると見られる。
代理人ロブ・ヤンセン氏の総括コメント
「ジョンは才能ある若い監督だが、今のアヤックスは誰が率いても難しい。だからこそ、彼がクラブの現実を受け入れ、学びに変えていくことが重要だ。」
アルネ・スロットの右腕として、昨季リヴァプールの躍進を支えたハイティンハ。
だが、母国での初の本格的な挑戦は、クラブの混乱とチーム構成の問題に阻まれている。
それでも、彼の指導哲学と情熱は本物だ。
混沌としたアヤックスでの苦闘が、やがてリバプールでの再会に繋がる――かもしれない。
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