―「その議論に乗るのは賢明ではない。私の答えは皆さんも分かっているはず」
ニューカッスル・ユナイテッドのエディ・ハウ監督は、リバプールのアルネ・スロットによる“スモールクラブ(小さなクラブ)”発言を受けながらも、対立を避ける冷静な姿勢を見せた。
発端は、今夏の移籍市場で話題を呼んだアレクサンダー・イサクの大型移籍劇をめぐる発言だった。
イサク移籍をめぐる「スモールクラブ」発言の波紋
スウェーデン代表FWアレクサンダー・イサクは今夏、ニューカッスルからリバプールへ総額1億2500万ポンド(約230億円)で移籍。
この移籍は長期にわたり交渉が続き、イサクが一時“ストライキ”を起こしたことで大きな注目を集めた。
移籍後のイサクは公式戦8試合でわずか1得点と苦戦しており、水曜夜のチャンピオンズリーグ・アイントラハト・フランクフルト戦(5-1勝利)では、前半途中で鼠径部の負傷によりピッチを後にした。
試合後、スロットはイサクのコンディションについて次のように語っている。
「プレシーズンで十分な練習や試合を積めなかった“小さなクラブ”の選手が、いきなりリバプールに来て適応するのは簡単ではない。」
この“スモールクラブ”という表現が波紋を呼び、ニューカッスル側への侮辱と受け取られる可能性もあるとして話題になっていた。
ハウ監督「その議論に関わるのは賢明ではない」
記者から「ニューカッスルの立場を擁護すべきでは?」と問われたハウ監督は、感情的になることなく、あくまで冷静に対応した。
「その必要はないと思っています。ただ、私がどう思っているかは、皆さんも分かっているでしょう。」
さらに言葉を選びながら続けた。
「そうした議論に関わるのは賢明ではないと思います。アレックス(イサク)はもう我々の選手ではありません。ですので、その件についてコメントするつもりはありません。」
挑発的な発言に反応せず、クラブとしての品格を守る形で受け流したハウ監督の対応は、地元メディアからも「成熟した反応」として評価されている。
「環境は非常に良い」クラブ体制への自信
スロットの真意は不明だが、ハウ監督は改めてニューカッスルのクラブ体制と育成環境への自信を強調した。
「ここ(ニューカッスル)の環境はとても良いです。もちろん完璧ではなく、改善・発展の余地はあります。ただ、オーナー陣は私が着任してからクラブ施設を非常に良く整備してくれました。現在もさらなる拡張工事が進められており、将来的にはより良い環境になるでしょう。不満はありません。我々には多くのトップアスリートが在籍していますし、今のところコンディション管理もうまくいっています。」
サウジ資本によるクラブ改革のもと、ニューカッスルはここ数年で急速に成長を遂げており、クラブ施設やメディカル面でもプレミア上位クラブと肩を並べる水準へと進化している。
スロット監督の一言は、意図せずしてニューカッスルのプライドを刺激する形となった。
しかし、ハウ監督は挑発に乗ることなく、あくまでチームの未来と環境改善に目を向ける姿勢を貫いた。
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