「驚くべき移籍」──ファン・ダイクの代理人事務所代表が語る、フロリアン・ヴィルツのリバプール移籍の“異例”とは

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そのスピードはいま振り返っても“異常なほど速かった”。

リバプールがフロリアン・ヴィルツ獲得に動いていると最初に報じられてから、わずか数週間。

クラブはバイエルン・ミュンヘンとマンチェスター・シティとの争奪戦を制し、最終的に最大1億1600万ポンド(約230億円)に達する可能性のある取引で、ドイツの至宝を手中に収めた。

だが、ヴィルツの移籍にはもうひとつ、“非常に注目すべき点(pretty remarkable)”があったという。

そう語るのは、ヴィルジル・ファン・ダイクの代理人事務所 ROOF(Representatives Of Outstanding Footballers) の共同オーナーでマネージングディレクターを務めるトルステン・ヴィルト(Thorsten Wirth) 氏だ。

「父親が主導した1億ポンド超の取引。それが remarkable」

ヴィルト氏はこう語る。

「世の中には、プロのエージェントが関わらないケースも数多くあります。その最たる例が、今回のフロリアン・ヴィルツです。おそらくこの夏最大の取引でしたが、仕組んだのは彼の父親なんです。それが“remarkable(本当に驚くべきこと)”なんですよ。」

「業界全体が注目していました。“この家族はいつ外部のサポートを入れるのか?”“本当に自分たちだけで最後までやり切れるのか?”と。そして彼らは見事にやり遂げました。契約金や年俸はトップクラス、メディアの注目も凄まじい中での交渉でしたが、本当に素晴らしい仕事をしたと思います。」

「とはいえ、これが常にうまくいくモデルかというと、そうではありません。ヴィルツは(ジャマル)ムシアラと並んで、ドイツで最も特別な才能を持つ選手です。彼には“需要の問題”がない。でも多くの選手はそうではありません。4~5クラブからオファーが届くなんて当然ではないんです。多くの場合、キャリアを構築するためには積極的に動き、交渉し、戦略を立てなければならない。」

「もちろん私たち(ROOF)もある段階で売り込みをしました。でも扉は閉じられていました。あれほどの選手にアプローチしなければ、我々の仕事を怠ったことになります。ただ、ヴィルツ家は今もなお代理人事務所を介さず、自分たちだけでマネジメントを行っているんです。」

「まだ判断するのは早い。彼には時間が必要だ」

レバークーゼンから移籍したヴィルツは、リバプール加入後まだゴールを挙げていない。

しかし、ミッドウィークのレアル・マドリード戦(チャンピオンズリーグ)ではその卓越した才能を随所に見せた。

ヴィルト氏はこう続ける。

「マッチデー2試合か3試合で彼を評価するのは早すぎます。世界的な選手であっても、適応には時間がかかるものです。新しいロッカールーム、文化、リーグ、そしてチームのダイナミクス。すべてが違いますからね。」

「以前にもありました。(ペル)メルテザッカーがアーセナルに移籍した時も、適応期が必要でしたし、(カイ)ハヴァーツがチェルシーに移った時も最初から完璧には見えなかった。ヴィルツにもその時間が与えられることを願っています。ここ数試合の様子を見る限り、すでに上向き傾向にあると思いますよ。」

ファン・ダイクとROOFの関係

2023年2月、ファン・ダイクがROOFの一員となったことが報じられた。

彼の長年の代理人であるニール・フューイングス氏が、15年以上在籍したワッサーマン社を離れ、ROOFのマネージングディレクターに就任したことがきっかけだった。

ヴィルト氏はポッドキャストでこう説明している。

「ヴァージルはかなり早い段階で、私たちのイングランド担当アドバイザーであるニール・フューイングスと共に働くようになりました。だからファン・ダイクは長年ニールと共にキャリアを築いており、それがROOFとの関係につながったんです。」

「ヴァージルはまさに“グローバルブランド”です。プレミアリーグのほうがブンデスリーガよりも、グローバルブランドになりやすい。それは露出の大きさ、つまりプラットフォームの力です。リバプールのようなクラブに所属していれば、アメリカやアジア、オーストラリアへツアーするだけで、選手自身がすでに大きな影響力を持つことになる。」

「もちろん、そこには人格も必要です。彼はどんな部屋に入っても存在感を放つ人間です。そのフィジカル、性格、カリスマ性。そして“リバプール”のユニフォームを着て、あのメンタリティと魅力、聡明さ、話し方や言葉選びのセンスを持っている。世界的キャリアを築くうえで、これ以上ない“完璧な組み合わせ”ですよ。」

参照記事↓

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