疲れ切ったドミニク・ソボスライがエティハド・スタジアムの芝に崩れ落ちる――。
あの光景は、リバプールがタイトルを勝ち取ったシーズンの中でも、最も象徴的な瞬間のひとつだった。
2月、リバプールは敵地でマンチェスター・シティを撃破。
その中心にいたのがソボスライだった。
彼はアシストとゴールを記録しながら11キロ以上を走破し、攻守において圧巻のパフォーマンスを披露。
スロットはこの試合、純粋なストライカーを置かず、ソボスライを中盤の頂点に配置するという大胆な戦術を採用していた。
結果は見事に的中し、ハンガリー代表主将がチームを牽引して勝利へ導いた。
この一戦は、最終的にリバプールがアーセナルに11ポイント差をつける原動力となった。
そして今週末、25歳のソボスライは再びマンチェスターの地へ戻る。
今シーズンのリバプールで最も輝きを放つ選手のひとりとして。
元ライプツィヒのスターは、すでに右サイドバック、守備的MF、トップ下と3つのポジションで存在感を示している。
「あの時のパフォーマンスを再現するのが目標」
再びシティと相まみえる前に、ソボスライは2月のエティハドでの戦いを振り返り、その再現を誓った。
「あの時のパフォーマンスを再現するのが目標だよ。今度こそゴールとアシストを決めてマン・オブ・ザ・マッチを取れたらいいね。前回はモー(サラー)に持っていかれたから!みんな見たと思うけど、レアル・マドリード戦では全員が走って、戦って、互いをカバーし合っていた。一番大事なのは、この調子を続けることだと思う。」
「まだまだ道のりは長い。今はプレミアリーグに集中して、週末のシティ戦に臨むだけ。相手がどれだけ強いかはわかっている。とにかく集中しないとね。」
苦境でも崩れないチームスピリット
リバプールは日曜の試合開始時点で首位アーセナルから最大10ポイント差をつけられる可能性がある。
それでも、先週末のアストン・ヴィラ戦(2-0勝利)でプレミアリーグ4連敗を止め、勢いを取り戻した。
一方でアーセナルは土曜夜に好調のサンダーランドと対戦。
しかしソボスライは、結果に一喜一憂すべきではないと強調する。
「シーズンは長いからね。仮に今7ポイント差で首位にいたとしても、誰も“もう優勝だ”なんて言わないはず。去年も僕たちは首位に立っていたけど、落ち着いて、自分たちのプレーを続けるだけだった。何が起こるかわからないからね。大事なのは自分たちの試合に集中して、勝ち続けること。他のチームがどうなるかはそのあとに考えればいい。」
「チームスピリットが鍵だよ。僕たちは本当に結束しているチームなんだ。互いを守り合って、支え合ってる。全てがうまくいっているときは簡単なんだ。だけど数週間前みたいに苦しい時こそ、結束できるかが大事。その中でも僕たちは信じ続けて、一緒に乗り越えた。」
「リーダーではなく、全力でプレーする選手として」
ソボスライがリバプールに加入してから、もう2年以上が経つ。
彼はアレクシス・マクアリスター、ライアン・フラーフェンベルフ、遠藤航とともに行われた中盤再構築の象徴的存在だ。
2023年夏、ライプツィヒから£6,000万(約120億円)の契約解除条項を行使して加入し、スロット体制の中核を担っている。
それでも彼自身は、チームの「リーダー」としての自覚をまだ持っていないという。
「リーダーはもう十分にいるよ。ヴィルジル(ファン・ダイク)、モー(サラー)、ロボ(ロバートソン)、アリ(アリソン)…。彼らはここに7~8年いるし、キャプテンと副キャプテンたちだ。僕はただピッチの上でベストを尽くすだけ。もしそれがリーダーに見えるなら、それはピッチ上でそう見えるだけで、外で何かをするつもりはないんだ。」
終わりに
2月のエティハドで見せたあの“完璧な90分”――。
それを再び再現できるかどうかが、リバプールの今季の行方を大きく左右することになるだろう。
リバプールが再びシティを撃破し、優勝争いの主導権を握る日。
その中心に、またドミニク・ソボスライの姿があるかもしれない。
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