──スコットランドをW杯へ導いた“涙の舞台裏”
スコットランドが1998年以来となるワールドカップ出場権を手にした歴史的な夜。
その裏でキャプテンのアンディ・ロバートソンは、
“亡くなった親友ディオゴ・ジョタの存在” に胸を締め付けられていた。
デンマークとの4-2の激闘を制した試合後、彼が明かしたのは、
歓喜とはほど遠い、試合前の精神状態だった。
■ 「うまく隠してきたけど、今日は本当にボロボロだった」
ロバートソンはBBCにこう語る。
「うまく隠してきたけど、今日は本当にボロボロだった。自分の年齢を考えると、これがW杯へ行ける最後のチャンスになるかもしれない。」
「親友のディオゴ・ジョタのことが、今日は頭から離れなかった。僕たちはW杯のことをたくさん話してきたんだ。」
ジョタは昨夏、交通事故でこの世を去ったポルトガル代表FW。
ロバートソンにとっては “仲間であり親友” だった。
「彼は前回の大会をケガで逃し、僕はスコットランドが出場できなくて逃した。だからいつも“W杯ってどんな感じなんだろうな”って2人で話していたんだ。」
「今日は自分の部屋でかなり参っていたよ。チームメイトには隠せていたと思うけど……彼はどこかで僕のことを笑って見てくれていると思う。一日中、彼を思い出さずにはいられなかった。」
ロバートソンが涙をこらえながら語るこの言葉だけで、
彼がこの試合にどれほどの思いを込めていたかが伝わってくる。
■ 死闘の末に勝ち取った“W杯への切符”
スコットランドは10人のデンマークに2度追いつかれながらも、
- スコット・マクトミネイ
- ローレンス・シャンクランド
- キアラン・ティアニー(後半AT3分の勝ち越し)
- ケニー・マクリーン(ハーフウェーラインからの決定打)
と、ドラマのような展開で勝利をもぎ取った。
ロバートソンはチームの粘りをこう評価した。
「それが僕たちのチームを象徴している。決して諦めない。“最後まで走り続ける”んだ。」
「本当にクレイジーな試合だった。国中を振り回したと思うけど、それだけの価値はあった。
僕たちはW杯に行くんだ。まだ信じられない。」
■ 「人生で最も素晴らしい夜のひとつ」
ロバートソンは監督・スタッフ・チームメイトへの思いも語った。
「このチーム、スタッフは、僕が関わってきた中で最高のグループだ。」
「試合前、監督のスピーチは本当に素晴らしかった。これまでの大きな瞬間を振り返って、“さあ、今日も新たな瞬間を作ろう”って。」
「監督、スタッフ、家族のためにそれを実現できたこと。これは僕の人生で最も素晴らしい夜のひとつだ。」
■ 亡きジョタに捧げられた歴史的勝利
キャプテンとして挑んだ“最後のチャンス”。
そして頭から離れなかった親友。
それでも彼は、仲間と共に戦い切り、歴史を動かした。
ロバートソンが語ったように──
「彼はどこかで僕のことを笑って見てくれていると思う。」
この勝利は、スコットランドのためだけでなく、
ディオゴ・ジョタへの想いが込められた一夜だった。
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