スロットが語った“支えの重み”──解任論が渦巻く中で響いたチャントと、逆境で見せたリバプールの一体感
ウェストハムを2-0で下し、公式戦3連敗からようやく抜け出したリバプール。
しかし、この勝利がもたらした意味は単なる勝点3にとどまらない。
試合前から飛び交っていた“スロット解任論”、さらには“クロップ復帰論”さえ巻き起こる重たい空気を、ロンドン・スタジアムに駆けつけたサポーターの声が完全に吹き飛ばしていた。
イサクの先制点が決まる前から、アウェイ席には力強い「アーネ・スロット!」のチャントが響き渡っていた。
試合後の記者会見でスロットは、この声援がどれほど大きな意味を持っていたかを率直に語った。
「0-0の時点からずっと。あれは本当に特別だった」──スロットが語ったサポートの重み
「これは、このクラブとファンがどれだけ特別かを示しています。彼らは私だけでなく、チーム全員を支えてくれました。今のような成績の中で、アウェイ戦にもかかわらず、あれほど多くのファンが来てくれて、試合開始から終了までずっと応援し続けてくれる。1-0になってからではなく、0-0の時点からずっとです。困難な時こそ、クラブに対してしてきたことを理解し、支えてくれる――それがこのクラブを特別にしているのだと思います。成功している時に誰かを支えるのは簡単です。でも今のように厳しい状況で支えてくれることに、本当に意味があるのです。」
スロットの言葉には、ただの感謝だけではなく、胸の奥に秘めていたものが溢れ出ていた。
それほどまでに、ロンドンまで駆けつけたアウェイサポーターの姿は彼の心を揺さぶった。
FSGはスロットを切る気がなかった──それでも“もし負け続けていたら”という現実
報道によれば、フェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)はスロットの契約解除を検討しておらず、
リチャード・ヒューズやマイケル・エドワーズも“支持”の姿勢を崩していなかったという。
スロットは就任1年目でプレミアリーグを制覇した監督であり、クラブは揺るがぬ信頼を置いていた。
それでも、もし敗戦が続くようであれば、外部からの圧力はさらに強まり、彼が厳しい立場に追い込まれていったのは間違いない。
アンフィールドではノッティンガム・フォレスト戦やPSV戦で、観客が早々に席を立つシーンが目立った。
そんな中で、ロンドンまで乗り込んだサポーターが見せた揺るぎない応援は、スロットにとって何よりの救いだった。
逆境でこそ示された“リバプールらしさ”
この日の勝利は、単なる3ポイント以上の意味を持っている。
それは、クラブとサポーター、そして指揮官と選手たちの“結束”がどれほど強いかを証明した試合でもあった。
疑念や雑音が渦巻く中でも、サポーターはスロットを見捨てなかった。
結果が出ないときこそ支え続ける――これはクラブの歴史が刻んできた真理であり、リヴァプールの精神そのものだ。
スロットはその想いを真正面から受け止め、
「困難な時こそ支えてくれる。それがこのクラブを特別にしている」
と語った。
この言葉は、“復活への物語”がここから始まることを強く示唆している。
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