アンフィールドでのサンダーランド戦。
フロリアン・ヴィルツはついにリバプールでの“初ゴール”を決めたかに見えたが、その一撃は最終的にノルディ・ムキエレのオウンゴールと判定された。
16試合ノーゴールというプレッシャーの中で生まれた同点弾。
しかもチームは直近14試合で9敗と、崖っぷちの状況だった。
それでも試合後、背番号7はゴールの公式記録にはほとんど興味を示さず、
「今日はどうでもいいよ」
という一言で、自身のスタンスをはっきりと示した。
■ 「今日はどうでもいい」――数字よりも結果
サンダーランド戦後、ヴィルツは Sky Sports のインタビューで、オウンゴール判定についてこう語っている。
「今日はどうでもいいよ。引き分けで終わってしまったし、僕たちは勝ちたかった。それが今日一番大事なことだ。運がなかった。」
16試合目でようやく決めたかに見えた初ゴールが取り消されても、
彼がこだわったのは「自分の1点」ではなく「チームの勝利」だった。
数字よりも結果。
それは、批判に晒され続ける高額移籍選手としては、かなり“タフ”なメンタルの現れでもある。
■ 支えとなるチームメイト、特にカーティス・ジョーンズ
ヴィルツは、リバプールでの適応について問われると、真っ先にチームメイトの名前を挙げた。
「チームのみんなが本当に温かく迎えてくれた。中でもカーティスの存在が大きかったね。本当に良いチームだし、ここにいられてとても幸せだよ。」
1億1600万ポンドという移籍金は、どうしても外部からの期待と批判を呼び込む。
だが、ロッカールームの内側では、彼はすでに「チームの一員」として受け入れられていることが、この言葉から伝わってくる。
■ 難しい数週間、それでも「良い方向に向かっている」
チーム状況について問われたヴィルツは、リバプール全体の苦しさを認めつつも、前向きな姿勢を崩さなかった。
「ここ数週間はチームとして少し難しい時間が続いている。でも、僕たちはまた立て直すための良い道を進んでいると思うし、そのために、そして試合に勝つためにできることはすべてやっている。
今日は勝ちたかったし、僕たちはテーブルの一番上にいたい。ただ、ハードワークを続けていけば、きっと状況は変わっていくはずだよ。」
結果だけを見れば、リバプールは首位アーセナルから11ポイント差。
「優勝争い」というこのクラブの最低ラインからは、大きく遠ざかっている。
それでも彼は「戻っていく途中にいる」と語る。
苦境を認めつつも、どこか揺るがない楽観と信念がにじむコメントだ。
■ スロットの下で、光を放ち始めた背番号7
アルネ・スロットは、ウェストハム戦でのヴィルツ起用を
「リスクだった」と認めている。
軽傷明けにもかかわらず、ヴィルツは4日間で合計165分プレー。
サンダーランド戦でも、その鋭いポジショニングとボールの受け方で、
停滞する攻撃の中で違いを作ろうとしていた。
公式記録上はオウンゴールとなったが、
スペースを作り出してシュートに持ち込んだのは紛れもなくヴィルツであり、
「敗戦寸前のチームを救ったのは誰か」 を見れば、その名前ははっきりしている。
■ 苦境に立つスロットとリバプール、そして“運命のリーズ戦”
一方で、チーム全体として見れば、状況は依然として厳しい。
- 直近14試合で10敗を喫する可能性があった流れ
- アンフィールドの“恐怖感”が目に見えて薄れつつあること
- 相手に「ここなら勝ち点を持ち帰れる」と思われてしまう空気
スロットは、サンダーランド戦後の会見でも「引き分けが最低限だった」としつつ、
相手に自信を与えてしまっている現状を認めている。
そんななかで迎える次節リーズ戦は、
スロット政権にとって最も重要な90分
になる可能性が高い。
負ければ、指揮官への信頼と将来は一気に揺らぐだろう。
勝てば、まだかろうじて「立て直しの物語」を描けるラインに踏みとどまれる。
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