UEFAチャンピオンズリーグ、リヴァプール対インテル戦を翌日に控えたミラノ。
サン・シーロで行われた前日会見で、アーネ・スロット監督はついにモハメド・サラー問題について真正面から言及した。
直前のリーズ戦後に飛び出した「バスの下に投げられた」という意味深なサラーの発言。
それに対しスロットは――
「彼は今、ここにいない」
と、遠征メンバーから外した事実を明言。
関係悪化、権威低下、構想外、そして“最後の試合”の可能性まで踏み込んだ、極めて重い会見となった。
■「“バスの下に投げられた”というサラーの発言は自分のことか?」について
それに答えられるのはモー本人だけです。
私が推測することもできますが、今この瞬間にそれをするのが正しいとは思いません。
正直なところ、あの発言が誰を指しているのか、私には分かりません。
■ サラーと話したか?
「ミラノに連れて行かない」ということは彼に伝えました。それが唯一のコミュニケーションです。
もちろん土曜日以前には、何度も話しています。長い時もあれば短い時もありました。
■ 「関係が崩れたと感じているか?」
いいえ、私はそう感じていません。
ただ、彼がどう感じるかは彼の自由です。
正直に言えば、土曜の夜まではそんな風に感じたことはありませんでした。
出場しなくなれば、選手は当然監督を好まなくなるものです。
それでも彼はスタッフにも仲間にも敬意を払っていましたし、練習にも真剣に取り組んでいました。
だからこそ、試合後にあのコメントをしたと聞いて、正直少し驚きました。
とはいえ、出場しない選手が感情的になり、似たような発言をするのは初めてでも最後でもありません。
私たちの反応は明確です。だから彼は今ここにいないのです。
■ 「土曜の試合で復帰の可能性は?長期的な解決策は?」
今はインテルとの大事な試合の前日です。
リーズ戦の3-3から、まだ36時間ほどしか経っていません。
私は明日の試合に向けてチームを最高の形で準備することに全力を注いでいます。
その中で「今回は帯同させない」という決断をしました。
明日が終わってから、また状況を見直します。
■ サラーはチームに戻る可能性があるか?
私は常に、選手には「戻る可能性がある」と信じています。それだけです。
■ 今日の会話でのサラーの反応は?
短いものでした。
■ ここ最近ベンチに置いた理由は?
今季、そして昨季から、相手の対策が非常に厳しくなっています。
ロングボールだけでなく、様々な形で対策されてきました。
私は監督として解決策を探してきましたが、フォレスト戦やPSV戦では非常に脆さが出ました。
そのためウェストハム戦では中盤を1枚増やしました。
サンダーランド戦でも同じ形を採用し、後半から彼を投入しました。
リーズ戦では相手が5-3-2だったため、
エキティケ右、ガクポ左、中央にヴィルツというダイヤモンドにしました。
右にはモーも置けましたが、エキティケを選びました。
■ サラーはリヴァプールで最後の試合を終えたのか?
現時点では分かりません。
■ 「権威が揺らいだ」と感じるか?
いいえ、そうは感じません。
■ この状況で苦しくなったか?
それが可能だとしても、私の苦しさは重要ではありません。
大事なのはチームとクラブです。
スタッフが結果によって苦しんでいるのを見るのが一番辛い。
私の意識は完全にチームに向いています。
■ なぜサラーがあんな発言をしたのか理解できるか?
正直、彼が何を意味したのか分からない以上、理解はできません。
■ 発言の真意について話したか?
いいえ。
私は冷静で礼儀正しいですが、弱いわけではありません。
あのような発言があれば、クラブとして対応する必要があります。
その結果が「今回帯同しない」という判断です。
■ 事前に防げた可能性は?
理由が出場機会なら、答えは「使えばよかった」になります。
しかし、それが理由とは限りません。
彼がどう感じるかは自由ですが、メディアに言う権利については、こちらも対応する権利があります。
■ 試合後に話したか?
いいえ。
今日、遠征に連れて行かないと伝えましたが、これは「会話」とは呼びません。
リーズ戦前には2回、話しています。
■ インテル戦の難しさについて
非常に強いチームです。
過去3年でCL決勝2回、PK負け1回。
規律があり、経験豊富で、質の高いチームです。
■ インザーギ時代との違いは?
違いよりも共通点の方が多いです。
システムもメンバーもほぼ同じ。
CL決勝に進んだチームを引き継げば、同じ形を続けるのは当然です。
■ クリスティアン・キヴについて
私は彼をアヤックス時代の選手として知っています。
守備が強く、ボール扱いにも優れていた。
今のインテルにもその特徴が表れています。
■ キエーザの代表復帰について
それを決めるのは私ではありません。
彼は昨季よりも明らかにコンディションが良く、出場時間も増えています。
代表招集はイタリア代表監督の判断ですが、私は彼を選手としても人としても高く評価しています。
スロットは終始、
「自分の苦しさではなく、チームとクラブの問題だ」
と語り、指揮官としての覚悟と緊張感をにじませた。
一方で、
サラーの“最後の試合”になる可能性を否定しなかった点は、
ファンにとってあまりにも不気味な余韻を残している。
CLの大一番、サン・シーロ決戦。
ピッチの上だけでなく、クラブの未来そのものを左右する90分が、今まさに始まろうとしている。
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