「決断は“今朝の対話”次第――スロット監督、サラー起用に沈黙を貫く|ブライトン戦前会見

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ブライトン戦を翌日に控え、リヴァプールのアーネ・スロット監督がAXAトレーニングセンターで記者会見に臨んだ。

最大の注目は、やはりモハメド・サラーの扱いだ。

インテル戦での帯同見送り以降、去就や起用法を巡って憶測が飛び交う中、スロット監督は「今朝、本人と話す。その結果が明日を決める」と明言。

しかしそれ以上の詳細には踏み込まず、徹底して“沈黙”を貫いた。

一方で、直近4試合無敗のチーム状況や、アリソンの復帰、エキティケとイサクの共存、過密日程への本音など、多くの示唆に富む発言も飛び出している。

本記事では、ブライトン戦前会見の要点を整理し、スロット監督の真意を読み解いていく。

■ モハメド・サラーはブライトン戦に関与するのか?

「今朝、モー(サラー)と話をする予定だ。その話し合いの結果次第で、明日どうなるかが決まる」

■ この状況を解決するためにサラーに何を求めているのか?

「私に必要なのは彼との会話だ。次にモーについて話すとしたら、ここではなく彼本人とだと思っている。何度聞かれても答えは同じで、今日彼と話をする。その結果が明日の形を決める」

■ 守備面でより多くを求めていることが問題の一部なのか?

「色々な聞き方があるのは分かるが、もう言った通りだ。次に彼について話すのは彼本人とだ。サンダーランド戦以降、この1週間で多くの話し合いがあった。彼の代理人とクラブ、クラブと本人、そして私と彼の間でも話してきた。そして今日もまた話す」

■ 謝罪はあったのか、あるいは必要なのか?

「答えは同じだ」

■ 直近4試合無敗について

「無敗という事実だけでなく、この4試合で“非常に崩しにくいチーム”になっていたと思う。相手にチャンスを作らせなかったし、選手たちは本当によく走り、努力してくれた。10日間で4試合、しかも多くの選手が不在の中で戦ったことを考えれば、出場可能だった選手たちを称賛すべきだ。結果にはやや不運もあったが、粘り強さは見せてくれた」

■ アリソン・ベッカー復帰の影響

「彼ほどの選手が戻ってくるのは当然大きい。ただ、ジョルジ(ママルダシュヴィリ)も非常に良い仕事をしてくれた。実際、我々は多くの試合でほとんどチャンスを与えていない。90%の試合でそうだ。だからGKが忙しくなる場面は少なかったが、それでも彼の復帰は心強い。ただしジョルジの働きも強調したい」

■ アンフィールドでの不調について

「もしアウェイで素晴らしい成績を残しているなら理解できる質問だが、そうでもない。ホームでもアウェイでも、望むより多くの試合で苦しんできた。理由は何度も話してきたが、どんな理由があっても負けが許されるわけではない。私はホームかどうかよりも、最近話してきた“他の要因”に原因があると考えている」

■ ブライトンがどのようにリヴァプールを攻略してくるか

「今のリーグは非常にダイレクトになっている。それは明白だ。そしてリーグ全体以上に、リヴァプールに対しては特に“よりダイレクト”な戦い方をしてくる。私は以前の会見(インテル戦前)でも触れたが、特定のゲームプランが我々に対して増えている。我々は適応しなければならない。低く構える相手を崩すには、ミドルシュート、セットプレー、あるいは1対1で圧倒できる個の力が必要だ。マンチェスター・シティ対レアル・マドリードでも、その好例を見た」

■ インテル戦でエキティケとイサクを同時起用したことについて

「一緒にプレーする回数が増えれば、連携は必ず良くなる。インテルの2トップ(テュラムとラウタロ)はその点で経験が豊富だった。ただ、我々の2人にも良い兆しは見えた。まだ2回目の同時起用だし、フィットネスの問題もある。アレックス(イサク)は前半に打撲もあったので、今日の状態を見て判断する」

■ 前線の高さを活かしたダイレクトな攻撃について

「身長だけで適性は判断できない。背が高くても競り合いが弱い選手もいるし、小柄でも強い選手もいる。現時点では、アレックスもウーゴ(エキティケも、体に当てるロングボールより裏へのボールの方が活きる。ウーゴはその点を改善しようとしているし、成長は見えるが、まだ伸ばす余地はある。それはチーム全体にも言えることだ」

■ スカッドの厚みについて

「今後、試合間隔が空くのは助かる。今季、7日間で3試合を3度もこなしたチームが他にあるだろうか。正直、リーグカップから敗退したことで少しホッとしている部分もある。プレミア経験のあるフィールドプレーヤーが13人しかいない状況で、またすぐにアーセナル戦が来るのは厳しすぎた。それが、パレス戦であのメンバーを選んだ理由でもある。負けるのは決して良いことではないが、選手には休養も必要だ」

■ サラーを起用するかどうかの決定権は誰にあるのか

「インテル戦に連れて行かない決断は、クラブとして行い、私もその一部だった。ただし、最終的なメンバー選考と起用は、常に私の判断だ。リチャード(ヒューズ)とは頻繁に話すが、決定権は私にある」

■ サラーに残ってほしいか?

「また同じ聞き方だね。ただ一つ言えるのは、彼に残ってほしくない理由は何もない」

■ サラーとの関係はまだあるのか?

「同じ答えを何度も言っている以上、この質問に意味はない」

■ 無敗が自身の決断を正当化しているのか?

「このクラブは彼と共に、数え切れないほどの勝利を積み重ねてきた。それが答えだ」

■ 2週間続けてミッドウィークがないことの利点

「通常は大きなメリットだ。ただ、選手たちはすでにプレー時間が多すぎる。パフォーマンススタッフも“1日2部練習をしよう”とは言わないだろう。それでも準備時間が増えるのは確かだ。ブライトンは5〜6日準備できているが、我々はインテル戦後、今日が最初のトレーニングだ。ヨーロッパで戦う以上、文句は言えないが、これがここ数ヶ月の現実だ」

今回の会見でスロット監督が一貫して強調したのは、「サラーについて語る場所は、記者会見ではない」という姿勢だった。

起用の可否、謝罪の有無、関係性――あらゆる質問に対し、答えはただ一つ。「本人との対話がすべて」という一点に集約されている。

それは決して問題を軽視しているわけではなく、クラブと選手、そして監督自身の関係性を守るための選択とも言えるだろう。

同時に、スロットはチームが“崩れにくい集団”へと変化している手応えも口にし、サラー不在でも前進を止めない姿勢を示した。

ブライトン戦で下される決断は、単なる1試合のメンバー選考に留まらない。

それはスロット体制におけるサラーの位置づけ、そしてリヴァプールの今後を占う重要な分岐点となる。

答えは、ピッチの上で示される。

参照↓

https://www.liverpoolfc.com/news/qa-every-word-arne-slots-pre-brighton-press-conference

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