チアゴ・アルカンタラは、2024年夏に現役を退いたのち、静かに、しかし確かな一歩を踏み出している。
9月初旬から、チアゴはハンジ・フリック体制のバルセロナでアシスタントコーチとして新たなキャリアをスタートさせた。
現役時代は、バルセロナ、バイエルン・ミュンヘン、そしてリヴァプールで数々のタイトルを獲得。
その卓越した技術と知性は、今、ピッチの外で生かされようとしている。
リヴァプールで刻んだ4年間の足跡
現在34歳のチアゴは、2020年にバイエルンからリヴァプールへ加入。
在籍4シーズンで公式戦98試合に出場し、3ゴールを記録した。
負傷に悩まされる時期も少なくなかったが、ボールを持った瞬間に漂う別格の存在感は、多くのサポーターの記憶に深く刻まれている。
2022年にはFAカップとFAコミュニティ・シールドを制覇し、その輝かしいキャリアに新たな勲章を加えた。
2024年夏、チアゴはアンフィールドに別れを告げ、現役生活に幕を下ろしている。
「自分の才能は、人を助けるためにもある」
引退後、チアゴはコーチングの道へ進む決断を下した。
その理由について、彼は『The Coaches’ Voice』で率直な思いを語っている。
「今はコーチングの勉強に取り組んでいて、パフォーマンスに関わるさまざまな分野を理解し、学ぶことに情熱を注いでいる。
理学療法士やフィットネストレーナーと話し、彼らがどんな仕事をしているのかを知ることもその一環だ」
さらに、チアゴらしい知的な言葉が続く。
「もしコーチとして成長できるとすれば、それは自分の才能が“サッカー選手としてだけ”使われる運命ではなかったということかもしれない。
僕はとても教育的なタイプで、多くの人を助けたいし、自分の才能を、他のアスリートの人生に本当の違いをもたらすことに向けたい」
ピッチで見せてきた冷静さと創造性は、そのまま指導者としての哲学へとつながっている。
レバンテからの監督打診を辞退
そんな中、チアゴにはラ・リーガで苦戦するレバンテからの関心が報じられた。
レバンテは成績不振を理由に、11月末にフリアン・カレロ監督を解任。
後任探しの中で、ジャーナリストのマッテオ・モレットによれば、クラブはチアゴに対し新監督就任の可能性を打診したという。
しかし、チアゴはこのオファーを丁重に断ったとされている。
同時に声がかかったラウール・ゴンサレスも、この誘いを辞退した。
なぜレバンテは「賭け」に出ようとしたのか
チアゴとラウールという名前が挙がったこと自体、レバンテが経験の浅い指揮官に賭ける覚悟を持っていることを示している。
しかし、クラブの現状は厳しい。
レバンテは15試合消化時点でラ・リーガ最下位に沈み、残留圏の17位とは勝ち点5差。
この状況での“新人監督起用”は、大きなリスクを伴う選択だったと言える。
チアゴがこの打診を断ったのは、自身の成長段階を冷静に見極めた結果とも考えられる。
まとめ
- チアゴ・アルカンタラは2024年9月からバルセロナでアシスタントコーチに就任
- 現役時代はリヴァプールで4シーズン、98試合に出場
- 引退後は指導者として学びを重ねる姿勢を明確にしている
- レバンテからの監督打診は辞退
- 本格的な監督キャリアは、より適切なタイミングを待つ構え
静かに、しかし着実に次のステージへ。
チアゴ・アルカンタラは今、「教える者」としての未来を丁寧に築き始めている。
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