プレミアリーグ次節、リヴァプールはアウェイでトッテナム・ホットスパーと対戦する。
この重要な一戦を前に、指揮官アーネ・スロットがAXAトレーニングセンターで記者会見に出席し、現在のチーム状況や個々の選手について率直に語った。
注目されたのは、先日話題となったモハメド・サラーの件、そして成長を続けるウーゴ・エキティケや好調のカーティス・ジョーンズについての評価だ。
また、攻守のバランスやセットプレーへの課題など、スロット監督が描く“これからのリヴァプール像”も明確に示された。
■ モハメド・サラーについて
「先週も言ったが、行動は言葉よりも雄弁だ。我々はもう前に進んでいる。彼は(ブライトン戦で)メンバーに入り、私が最初に行った交代でもあった。今、彼はAFCONで国のため、そして自分自身のために大きな試合を戦っている。だからこそ、彼にとっても国にとっても、そして我々にとっても、今は彼が大会に完全に集中できるようにするのがフェアだ。私がリヴァプールでの彼の将来について何か言うことで、注意をそらすべきではない。リーズ戦後のインタビューの件はすでに終わっている。彼はブライトンでプレーしたし、今は向こうにいる。だから我々はトッテナム戦、そしてこれからの試合に集中するべきだ」
■ 近年のトッテナム戦での得点力について
「昨季、トーマス・フランク率いるブレントフォード相手のアウェイでは、92分まで得点できなかった。だから単純に比較することはできない。確かに主力はある程度同じだが、彼らは新しい選手を加え、新監督(トーマス・フランク)が就任している。我々も多くの選手を加えた一方で、多くを失った。だから昨季の我々と今季の我々、そして昨季のトッテナム戦の結果を、今のトーマス・フランクのチームと比べることはできない」
■ 勝てばトップ4に近づくことについて
「勝利は常にチームに良い感覚と良い雰囲気をもたらす。今季は夏に大きな変化があったからなおさらだ。順位表を見ると、1位から12〜15位までが非常に接近している。勝つか負けるかで状況は大きく変わる。ここ5試合で積み上げてきたものを、さらに築いていくことが重要だ。ブライトン戦だけは多くのチャンスを許したが、それ以外は守備的に非常に安定していた。守備の安定をベースに、選手たちはプレミアリーグの強度に、より集団として適応しつつある。今後は、これまで以上の我々を見せられると思っている」
■ 試合間隔が1週間空いたことについて
「監督として、トレーニングピッチで選手と仕事ができる時間は常に有益だ。特に、移籍市場の終盤に加入した選手がいる場合はなおさらだ。アレックス(イサク)は9月1日に加わった最たる例だ。ただ、試合や映像ミーティングでも選手に影響を与えることはできるので、結果が出ない言い訳ではない。それでも、こうした1週間の間隔は、新しいことを落とし込んだり、改善点をより強調したりする良い機会だ。来週も同じような日程なので、ほぼ“ミニ・プレシーズン”のようなものだ」
■ ウーゴ・エキティケは期待を超えたか
「いや、超えてはいない。どんな選手かは分かっていた。ブライトン戦では70分で足がつって交代したが、3か月前と比べると運動量はほぼ倍になっている。得点力、技術、スピード――それは彼が元々持っているものだ。驚きはない。ただ、走る量やハードワークの部分は大きく向上している。今では守備でもチームを助けてくれている。私は彼と話すとき、攻撃よりも守備の話を多くしている。彼自身、『たまには攻撃の話もしたい』と思ったこともあっただろう。だが攻撃面はすでに非常に優れている。守備面での成長を見るのが、今は本当に楽しみだ」
■ カーティス・ジョーンズの好調について
「直近3試合は本当に素晴らしい。ただ、私が来てから“3試合連続で”良かったのは初めてかもしれない。彼は以前も良い試合はあったが、その次で落ちることもあった。次は4試合目、5試合目、6試合目と続けられるかが課題だ。自信、運動量、献身性、ボールを持ったときの落ち着き――すべてが高いレベルにある。この3試合が基準であり、明日のスパーズ戦が次の試金石だ」
■ 攻守のバランスについて
「我々は、私が理想とするチーム像に、確実に近づいている。ただし、浮き沈みがあったのは事実だ。夏に大きな変化を加えた以上、それは当然のことでもある。正直に言えば、ここまで時間がかかるとは思っていなかった。今振り返ると、私は少し楽観的すぎたのかもしれない。全員が90分、この強度で毎試合プレーできる状態ではない。だから起用の調整も必要になる。また、レフェリングに関して不運だった場面もあった。ただ、最終的には“判定やセットプレーに左右されないチーム”にならなければならない。不利な判定があっても勝てる。セットプレーで失点しても勝てる。そういうレベルに到達する必要がある。我々はまだ運や不運に左右されすぎている。それを減らしていくことが、これからの課題だ」
アーネ・スロット監督の言葉から伝わってきたのは、「混乱の時期は終わり、チームは確実に前進している」という強い手応えだ。
サラーに関する一連の話題はすでに区切りがつき、今はチーム全体が次のステップに集中している。
エキティケは得点力だけでなく守備面でも進化を見せ、ジョーンズは安定したパフォーマンスを継続しつつある。
一方で、セットプレーやレフェリングに左右されない“本当に強いチーム”になるためには、まだ改善の余地があることもスロット監督は隠さなかった。
だからこそ、このトッテナム戦は現在のリヴァプールがどこまで成長したのかを測る重要な試金石となる。
変化の途中にあるからこそ見える手応えと課題。
その両方を胸に、リヴァプールはロンドンへ乗り込む。
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