トッテナム戦勝利も内容には疑問符──英メディアが指摘したリヴァプールの課題と前進

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アルネ・スロット率いるリヴァプールは、ノースロンドンでまた一つ重要な勝利を手にした。

今夏加入した2人のストライカー、アレクサンダー・イサクとユーゴ・エキティケが揃ってゴールを挙げ、トッテナムを2-1で下した。

これでリーグ戦3連勝、無敗は6試合に伸びたが、内容に目を向けると、決して手放しで称賛できるパフォーマンスではなかった。

英メディアの反応も、その点を色濃く反映している。

「結果が内容を正当化している」厳しい評価からスタート

デイヴィッド・リンチ(X)

ジャーナリストのデイヴィッド・リンチは、勝利にもかかわらず、極めて辛辣だった。

「リヴァプールは一晩中とても出来が悪く、トッテナムが9人になってからは本当に悲惨だった。

それでも勝利を重ね、無敗は6試合に伸び、どういうわけか4位と勝ち点で並んでいる。

少なくとも今のところは、結果が内容を正当化している」

勝ち点という現実と、ピッチ上の内容の乖離を鋭く突いた見解だ。

「奇妙な勝利」──支配はしていたが、支配しきれず

イアン・ドイル(リヴァプール・エコー)

イアン・ドイルは、この勝利を「奇妙」と表現した。

「今夜は不思議な試合だった。特別に悪い選手はいなかったが、90分を通して特別に良い選手も多くはなかった。

それでも常に優勢だったのはリヴァプールで、スパーズが完全に自滅する中、なんとか冷静さを保った」

“悪くはないが、良くもない”。

今のリヴァプールを象徴する評価と言える。

「2-0からパニック」勝利の中の最大の問題点

ジェームズ・ピアース(The Athletic)

ジェームズ・ピアースは、試合展開そのものに警鐘を鳴らした。

「リヴァプールは、この試合を不必要に難しくしてしまった。

シモンズの退場後、イサクとエキティケのゴールで2-0と楽な展開だったが、その後パニックに陥った。

リシャルリソンに1点を返されてからは完全に冷静さを失い、ロメロが退場した後でさえ失点しかねなかった」

数的優位にもかかわらず試合を締め切れなかった点は、今後への大きな課題だ。

王者らしからぬ終盤、それでも支えた守護神

サム・ウォレス(デイリー・テレグラフ)

サム・ウォレスは、終盤の姿が「王者にふさわしくない」と指摘した。

「試合の終わりには、リヴァプールは機能不全に陥った9人のトッテナム相手に、勝利にしがみついていた。

そのため、この勝利すべてが大きな達成感を伴うものではなかった。

それでも、終盤のアリソンの非常に落ち着いた対応がチームを救った」

経験豊富な守護神の存在が、勝ち点3を守り切った。

「静かに無敗を積み上げている」前向きな評価も

ゲシン・ヒックス(デイリー・メール)

一方で、結果を重視する視点からは肯定的な声もある。

「これはスロットにとって重要な勝利だ。リヴァプールはプレミアリーグ5位に浮上した。

簡単な試合ではなかったが、やるべき仕事はやり遂げた。

静かに、しかし確実に無敗を積み上げている。これで6試合連続無敗だ」

内容に課題を抱えながらも、勝ち点を落とさないことの価値を評価した。

サラー不在で見えた「未来の一端」

フェリックス・キース(デイリー・ミラー)

フェリックス・キースは、モハメド・サラー不在の中で見えた可能性に注目している。

「サラー不在が、イサクとエキティケを同時に起用する機会になると指摘されていた。

実際に同時起用の時間は短かったが、それでも未来を垣間見る瞬間はあった。

ヴィルツのスルーパスからイサクが決め、エキティケはロメロをねじ伏せてヘディングで仕留めた。

その瞬間は、世界中のリヴァプールファンを熱狂させただろう」

新たな攻撃陣の形が、一瞬ながら明確に示された試合でもあった。

|課題は山積、しかし「勝てるチーム」になりつつある

トッテナム戦は、リヴァプールの現在地をはっきりと映し出した一戦だった。

・数的優位でも試合を締め切れない脆さ

・終盤に動揺してしまう精神的課題

・それでも勝ち点を積み上げる現実的強さ

完成度はまだ高くない。

だが、問題を抱えながらも勝てていること自体が、チームが前進している証でもある。

スロット体制のリヴァプールは、まだ“完成形”ではない。

しかしこの勝利は、未来への不安と同時に、確かな希望も残した。

参照↓

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