リヴァプールが将来を嘱望する15歳の逸材、ジョシュ・エイブを巡る状況が静かに注目を集めている。
アカデミー屈指の才能として評価される若きウインガーだが、レアル・マドリード訪問が報じられたことで、クラブ内外に少なからぬ不安が広がっている。
リヴァプールはエイブと長期的な関係を築こうとしているものの、現時点ではプロ契約を結ぶことができず、主導権は完全には握れていない。
レアル・マドリード訪問が生んだ懸念
エイブは土曜日、ベルナベウで行われたレアル・マドリード対セビージャ戦(2-0)を観戦。
試合後にはピッチ上でトレント・アレクサンダー=アーノルド、その兄タイラーと写真を撮影し、さらにビニシウス・ジュニオールやジュード・ベリンガムとも交流していた。
サイン入りユニフォームを受け取り、トップ選手たちと並んで撮影した様子は、単なる「観戦」以上の意味を感じさせるものだった。
この訪問が正式なオファーに直結しているかは不明だが、少なくともレアル側がエイブに特別な対応をしていたことは確かだ。
リヴァプールにとって「制御できない」状況
現在15歳のエイブは、まだ奨学生契約にもサインしておらず、プロ契約を結べるのは2027年以降となる。
つまり、現段階ではリヴァプールが彼の将来を完全にコントロールすることはできない。
チェルシーがエイブ獲得を狙っているクラブの一つとされ、アーセナルも関心を示しているという噂もある。
複数のビッグクラブが動向を注視する中で、リヴァプールは慎重かつ戦略的な対応を迫られている。
代理人問題とPLGエージェンシーの存在
現在、エイブは家族によってサポートされているが、今後キャリアが進むにつれて、正式な代理人を立てる可能性は高い。
今回のマドリード訪問にタイラー・アレクサンダー=アーノルドが同行していたことから、PLGエージェンシーとの関係構築が始まっているのではないか、との見方も出ている。
PLGはアンディ・ロバートソン、ジャロッド・ボーウェン、ジョーダン・ヘンダーソン、レスターの新星ジェレミー・モンガらを顧客に持ち、トレント本人も同エージェンシーに所属している。
なぜリヴァプールはエイブを失いたくないのか
仮にエイブを、チェルシー、アーセナル、あるいはレアル・マドリードに奪われるようなことがあれば、それはリヴァプールにとって大きな損失となる。
エイブは前線の複数ポジションをこなせるが、特に右ウイングでの適性が高い。
スピード、テクニック、フィジカルを兼ね備え、同年代のフルバックにとっては極めて厄介な存在だ。
今季は15歳ながらU18で主力を務め、ここまで7試合に出場し3ゴール2アシストを記録。
9月のブラックバーン戦でU18デビューを果たすと、10月のマンチェスター・シティ戦では1ゴール1アシスト。
続くノッティンガム・フォレスト戦でも同様に結果を残している。
さらにU16でもプレーを続けており、年代を超えた評価を受けている点は見逃せない。
冬休み期間が意味するもの
エイブは現在ウィンターブレイク中で、リヴァプールU18は1月10日のストーク戦まで試合がない。
この空白期間は、若い選手にとって将来を考える時間にもなり得る。
マドリード訪問が偶然なのか、あるいは計画的なものなのか。
その答えはまだ見えていない。
リヴァプールが問われる「説得力」
ジョシュ・エイブは、リヴァプールの未来を象徴し得る存在だ。
だが、その未来が必ずしもアンフィールドにあるとは限らない。
重要なのは、
・明確な育成プラン
・トップチームへの現実的な道筋
・若き才能を本気で守る姿勢
これらをクラブがどれだけ示せるかにかかっている。
レアル・マドリード訪問は警鐘に過ぎないかもしれない。
しかし、対応を誤れば「取り返しのつかない一歩」になる可能性もある。
リヴァプールは今、ジョシュ・エイブという逸材に対し、真価を問われている。
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