「フロがいると自由になれる」――ケルケズの言葉が示すヴィルツ効果

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リバプールがようやく復調に向かいつつある。

9月以来となる2試合連続の勝利。その裏には、ミロシュ・ケルケズフロリアン・ヴィルツが築き始めた左サイドの新たな関係性があった。

■ ついに止まった「連勝なし」の流れ

トッテナムでの2-1勝利により、リヴァプールはプレミアリーグで2連勝を記録した。

これは驚くべきことに、シーズン開幕直後の5連勝以来、初めての連続勝利となる。

今季のリヴァプールは、勝利を積み重ねることに苦しんできたが、ブライトン戦とトッテナム戦でその流れを断ち切った。

■ ヴィルツ左ウイング起用が生んだ変化

この2試合で特に際立っていたのが、フロリアン・ヴィルツの存在感だ。

コーディー・ガクポ不在の影響で、ヴィルツは左ウイングとして起用されたが、その配置が大きな効果をもたらした。

近年、リヴァプールが停滞していた要因のひとつが、ガクポとケルケズの連係不足だったことは広く指摘されてきた。

その中で、試合後にケルケズがBBCラジオ・マージーサイドで語った言葉は非常に示唆的だった。

ケルケズのコメント

「ここ数週間は、時間を多く取れるようになって、より噛み合ってきたことで、良くなっていると思う。今はフロとの関係がとても良い。良いプレーができているし、このまま続いてほしい」

さらに、ヴィルツとの連係について次のように続けている。

「自分はボス(監督)がやれと言ったことをやるだけだ。試合によっても変わる。でも、フロがいることで、より自由を感じられる部分もあると思う。僕たちは動いて、たくさんパスを回して、今日見たようなワンツーも多い。相手のボックス内にもっと入れるし、クロスも上げられる。もちろん、守備が自分の一番の仕事だ。どんどん良くなってきているから、満足しているよ」

■ ガクポとの違いが生む攻撃の流動性

ガクポはキャリアを通して、右足に持ち替えてシュートを打つプレーで成功してきた選手だ。しかし、相手が低い位置でブロックを敷く展開では、その選択がリヴァプールの攻撃を停滞させる要因にもなっていた。

実際、FBrefによると今季ガクポは45本のシュートのうち枠内に飛んだのは10本(22.2%)にとどまっている。

一方で、ヴィルツはボールを動かし、味方を使いながら攻撃を組み立てるタイプ。

トッテナム戦で見られたケルケズとの連係は、左サイドでのオーバーラップと素早いパス交換の価値を明確に示していた。

■ 新コンビがもたらす可能性

これはガクポを完全に排除するものではない。

ただし、ケルケズとヴィルツのコンビは、すでに高い理解度を示し、チームに攻撃の流動性を与えている。

背番号18(ガクポ)は、12月27日のウルヴス戦で復帰する見込みが低いとされており、この左サイドの関係性は次戦以降も継続される可能性が高い。

9月以来となるリーグ連勝の背景には、戦術以上に選手同士の相性と理解があった。

ケルケズとヴィルツが築き始めた新たな左サイドは、停滞していたリヴァプールの攻撃に確かな変化をもたらしている。

この関係性が一過性のものに終わるのか、それとも今季後半戦の武器となるのか。

その答えは、次の試合でもピッチ上で示されることになるだろう。

参照↓

https://www.bbc.co.uk/sounds/play/p0mpxjbn

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