すべては一本のDMから始まった──カイル・ケリー、代表への道と“失った時間”を取り戻す現在地

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セントクリストファー・ネイビス代表としてのカイル・ケリーの物語は、思いがけない一本のメッセージから始まった。

「SNSのプロフィールに“St. Kitts and Nevis出身”って書いてたんだ。そしたら向こうからDMが来た。インスタグラムで連絡があって、そのあとクラブの連絡先を聞かれたんだよ。最初は本当かどうか分からなくて少し放置してた。でも、その人が元プロで、今はセントクリストファー・ネイビスと関わっているって分かって、“これは本物だ”って思った。当時はU18だったし、正直ちょっとクレイジーだったね。」

その流れで、2024年3月。サンマリノ戦で途中出場し、A代表デビューを果たす。ノーサンプトン生まれのミッドフィルダーは、カリブ海の二島国家の常連メンバーになった。

代表ウィークは“休み”ではなくなった。

「今は、飛行機に乗って、電車に乗って、試合して、また飛行機で帰るだけ。オフはほとんどない。でも、それだけの価値はある。セントクリストファーで試合がある時は、ロンドンからマイアミに行って、1日乗り継ぎして、そこから現地へ向かう。移動は多いけど、あっちは晴れてて最高だよ。」

「相手はシニアの選手ばかりで、全然違う世界だ。でも“メンズの試合”を体感できるのは大きい。男たちのロッカールームに入って、その環境でプレーすることが、将来自分が立ちたい場所への準備になってる。」

両親はともにセントクリストファー・ネイビス出身。代表としてピッチに立つ意味は特別だ。

「母も父も、どちらもセントクリストファー・ネイビス出身。その国のA代表としてプレーできるのは本当に誇らしい。デビュー戦で着たユニフォームは、今は部屋にハンガーで掛けてあるけど、額に入れて父にあげるつもり。両親はテレビで見てくれて、すごく誇りに思ってくれてた。」

ケリーは2018年からアカデミーに関わり、2020年に正式加入した。その彼には、アンフィールドで“歴史的瞬間”を目撃した記憶もある。

「生で見た最高のゴール?たぶん2019年4月、チェルシー戦のサラーだね。あの時はボールボーイをやってて、彼が目の前でセレブレーションした。信じられない光景だった。まだすごく若かったし、あんな近くでトップ選手を見るなんて。ゴールを決めて走ってきて、あの象徴的なセレブレーションをして……本当に夢みたいだった。ボールボーイは7、8回やったけど、あれが一番忘れられない。」

現在U21でプレーするケリーは、複数ポジションをこなす万能型。理想の選手像は、クロップ時代のリヴァプールを支えた存在だ。

「6番も8番も10番もできる。自分では、チャンスを作れるクリエイティブな選手だと思ってる。憧れはジョルジニオ・ワイナルドゥム。どこでもプレーできて、何でもできる。ああいう選手になりたい。とにかく、自分のポテンシャルに到達して、すべての面で成長したい。」

昨季後半は重い膝のケガで離脱。だが11月、チェスターフィールド戦で復帰し、途中出場からカイデ・ゴードンの同点ゴールを演出した。

「ケガはきつかった。でも、フィットしてたらできなかったことに取り組めた。ジムでたくさん鍛えたしね。名前が入ったユニフォームを着て、観客がいるスタジアムで、ファーストチームと戦う。その感覚に戻れたのは本当に嬉しかった。出場は5分か10分だったけど、インパクトは残せたと思う。失った時間を取り戻すために、ただ前に進むだけ。毎日、少しずつでも、もっと良くなっていく。」

一本のDMから始まった代表キャリア、アンフィールドで見た“伝説の一撃”、そして大きなケガからの復活。

カイル・ケリーの歩みは、偶然と努力が重なり合いながら形作られてきた。

今の彼は、セントクリストファー・ネイビス代表として“男たちの世界”を知り、リヴァプールのアカデミーで再び前に進んでいる。

失った時間を取り戻すために、焦らず、逃げず、ただ成長を積み重ねる。

この静かな闘いの先に、アンフィールドのピッチが待っているかもしれない。

参照↓

https://www.liverpoolfc.com/news/meet-academy-how-instagram-message-led-kyle-kelly-representing-st-kitts-and-nevis

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