元日。
アンフィールドではリーズ戦の準備が進む一方、クラブ内部ではこの冬の移籍市場は「静かな月」になるという共通認識があった。
アントワーヌ・セメンヨ、マーク・グエイ――。
名前こそ報じられていたが、リヴァプールは慌てて動くつもりはなかった。たとえシーズンが思うように進んでいなくとも、次のチーム作りは“時間をかけて行う”という方針を崩さなかった。
だが、結果的にこの1月は「動かなかった月」であると同時に、水面下で守備の未来を大きく動かした月でもあった。
グエイを見送った理由は「原則」
9月1日、リヴァプールはクリスタル・パレスのマーク・グエイ獲得寸前まで迫っていた。
グエイ本人はロンドンでMRI検査を受けている最中に、3500万ポンドの移籍が土壇場で破談になったことを知らされた。
クラブは彼を翌年フリーで再び狙う計画だった。
しかし、マンチェスター・シティがセンターバックの負傷を受けて方針転換。2000万ポンドで一気に獲得に動くと、リヴァプールは対抗しなかった。
理由は明確だ。
- 週給30万ポンドとされる高額サラリー
- 巨額のサインボーナス
- サラーやファン・ダイクと同水準の給与帯になることへの懸念
グエイは魅力的な存在だったが、ユルゲン・クロップの言葉を借りれば「スラムダンク(確実な成功が約束された補強)」ではなかった。
あくまで「マーケットの機会」であり、クラブの原則を曲げてまで獲得する対象ではなかった。
原則を守った代償…薄くなる守備陣
しかし、この判断はピッチ上の問題を解決してはくれなかった。
- コナー・ブラッドリー:シーズン終了
- ジョー・ゴメス:負傷
- ジェレミー・フリンポン:離脱
- ジョヴァンニ・レオーニ:ACL負傷
センターバックの選択肢は急速に減少。
その状況の中で、父の死去による休暇からイブラヒマ・コナテが早期復帰し、ニューカッスル戦で圧巻のパフォーマンスとゴールを見せたのは象徴的だった。
「戻らざるを得なかった」という表現がふさわしい状況だった。
ロバートソンとカーティスも残留
トッテナムがアンディ・ロバートソンに接触。
インテルがカーティス・ジョーンズに関心。
しかし、クラブの答えは明確だった。
「今季は誰も出さない」
ゴメスの負傷、ケルケズのコンディション不安もあり、ロバートソンは残留。
カーティスについても同様に、スロットの意向どおり全員を手元に残す判断が下された。
実は進んでいた“守備の未来計画”
表では動かず、裏で大きく動いていたのが守備の若返りだ。
今季だけで、17〜20歳のセンターバックを5人確保。
- ジョヴァンニ・レオーニ(8月加入)
- ジェレミー・ジャケ(来季加入決定/6000万ポンド)
- モル・タラ・ンディアイ
- イフェアニ・ンドゥクウェ
- ノア・アデコヤ
特にジャケは、チェルシーとの争奪戦を制しての獲得。
アンフィールドでは、若手CBの将来設計が明確に進んでいる。
なぜジャケはリヴァプールを選んだのか
チェルシーには多くのCBが在籍している。
一方、リヴァプールは数字上の競争が少ない。
これが決め手だったと言われている。
ロンドンでは「選手をストックするクラブ」とも評されるチェルシーより、
「すぐにチャンスがあるクラブ」をジャケは選んだ。
静かな1月の本当の意味
1月は動かないはずだった。
実際、ほとんど動かなかった。
だがその裏で、
- グエイを見送る決断
- ロバートソン、ジョーンズの残留
- 若手CB5人の確保
- ジャケ獲得
リヴァプールは守備の未来を一気に設計した月でもあった。
これが正解だったかは、これから分かる
コナテは契約最終年。
ゴメスの去就は不透明。
ファン・ダイクは7月で35歳。
それでもクラブは、「今すぐ」ではなく「これから」を選んだ。
この判断が正しかったかどうかは、
今シーズンのこの後、そして今後のリヴァプールの結果次第だろう。
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