ウェールズ代表監督としてEUROとワールドカップに導いたロブ・ペイジが、今季からリバプールU21チームの新指揮官に就任した。
かつてウェールズを率いた名将が、なぜリバプールのアカデミーにやって来たのか。
「長年連絡を取っていなかった仲間との再会がきっかけだった」
「90年代にワトフォードで一緒にプレーしていたんだ。それ以来、連絡は取っていなかったけど、彼のキャリアはずっと追っていた。」
そう語るのは、リバプールU21監督ロブ・ペイジ。
彼が語る「彼」とは、現在アカデミー・ディレクターを務めるアレックス・イングルトープだ。
「いくつかのクラブを訪問していたときに、彼と久しぶりに話をする機会があって、そこで“育成現場に戻るべきだ”と強く感じた。リバプールの話を聞いた時、すぐに“ここしかない”と思ったよ。」
「プロジェクトとして取り組みたい」—— ペイジが求めた“次の成長”
ペイジはウェールズ代表監督としてEURO 2020出場、1958年以来となるワールドカップ本大会出場という快挙を成し遂げた。
だが、その成功の裏で彼の中には「まだ指導者として学びたい」という想いが残っていたという。
「監督やアシスタントとしてのオファーもあったけど、また結果に追われるだけの仕事に戻るのは違うと感じた。若い選手を育て、クラブに貢献できる“プロジェクト”をやりたかったんだ。そんな中でリバプールからの話が来た。迷う理由なんてなかったよ。」
「中に入って初めて分かる。ここは“別次元”のクラブだ」
ペイジがリバプールの門を叩いたのは、今年6月。
就任から数か月が経った今、彼はクラブの“文化”に深く感銘を受けている。
「外から見ても素晴らしいクラブだと思っていたけど、実際に中に入ってみると、それ以上だった。スタッフも選手もみんな誠実で、困難な時こそ一丸となる。なぜこのクラブが特別なのか、今は心から理解できる。」
若手に伝える“現実と責任感”
かつて500試合近いプロキャリアを送り、
ポートベイルやノーサンプトン、ウェールズ代表を率いたペイジ。
今の彼の使命は、アカデミー世代の選手たちに「プロとしての現実」を伝えることだ。
「リバプールの施設は世界最高レベルだ。でも、私が選手たちに教えたいのは“現実”だ。才能があるのは当然。けれど、努力や人間性が伴わなければプロとして生きていけない。どんなクラブに行っても通用する“人間としての強さ”を育てたい。」
「ウェールズ代表監督としての経験は今に生きている」
ペイジはU21代表監督からA代表監督へと昇格し、ガレス・ベイル、ラムジー、そして次世代のブレナン・ジョンソンやネコ・ウィリアムズらを育てた。
「若手を国際舞台で起用するのは簡単じゃない。でも、彼らに本物の経験を与えることが将来の力になると信じていた。私の目的は“ウェールズをより良いチームにして去ること”。それが今も、リバプールでの指導理念になっている。」
「スロットとの連携」—— トップチームと同じ方向を向いて
現在、リバプールU21はアルネ・スロット率いるトップチームと同じトレーニングメニュー・プレースタイルで日々練習している。
「U21はトップチームのすぐ下にいる存在だ。だから私たちはスロット監督のやり方を“完全に鏡写し”にしている。トップチームに呼ばれても違和感なくプレーできるようにするためだ。」
「スロット監督も非常に協力的だよ。週に一度、トップチームと一緒にトレーニングできる。若手たちは一気にエネルギーが高まるし、コーチ陣も多くを学ばせてもらっている。トップチームの選手たちも本当に親切で、若手を快く迎え入れてくれる。それがリバプールというクラブの文化なんだ。」
「毎日が誇り」—— ペイジの結びの言葉
「ここで過ごす毎日は本当に充実している。外から見ていたよりも、ずっと深い魅力がある。スタッフも選手も、誰もがリバプールというクラブを大切にしている。そんな環境で働けることを、心から誇りに思う。」
参照記事↓
https://www.liverpoolfc.com/news/behind-badge-why-coaching-liverpool-u21s-perfect-role-rob-page
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