― 少年時代の愛したクラブ“クリスタル・パレス”との運命の再会
リバプールの新守護神候補、フレディ・ウッドマンは、カラバオカップ4回戦で訪れる特別な夜を前に胸を高鳴らせている。
水曜夜のアンフィールドで迎える相手は、彼が幼少期にボールボーイとしてピッチに立ったクラブ――クリスタル・パレス。
かつて憧れたチームを前に、彼はついにリバプールのユニフォームを正式戦で纏うかもしれない。
「どんな試合でも、このユニフォームを着る瞬間は特別」
アリソン・ベッカーが負傷離脱中の現在、アルネ・スロット率いるリバプールは、夏に加入したウッドマンに公式戦デビューのチャンスを与える可能性がある。
彼はリバプール公式マッチデイプログラムの中で、こう語った。
「このクラブのユニフォームを着るたびに特別な気持ちになる。プレシーズンでもどんな大会でも、全力で楽しみたい。チャンピオンシップで多くの時間を過ごしてきた自分にとって、この歴史あるクラブでプレーできるのは本当に光栄なんだ。」
「リバプールはどんな大会にも真剣に挑む。カラバオカップもその一つで、決勝に進めばウェンブリーが待っている。トレーニングセンターのGKエリアには、ケレハーが優勝した時の写真が飾られているけど、それを見るたびに、この大会の意味を感じる。トロフィーを獲れば、このクラブの“歴史の一部”になれるんだ。」
「リバプールを断るなんて無理だ」
ウッドマンはこの夏、プレストン・ノースエンドからフリートランスファーでリバプールへ移籍。
以前はニューカッスル・ユナイテッドに10年間所属し、数々のローン移籍を経験してきた。
その経験を経て辿り着いたのが、プレミア王者リバプール。
父親アンディ・ウッドマン(元GK)の言葉が、決断の後押しになったという。
「この5〜6年、チャンピオンシップでずっとプレーしてきた。まだ28歳で試合に出たい気持ちが強かったけど、夏に“リバプールから話が来ている”と聞いた瞬間に、父に『リバプールを断れる人なんていない』って言われたよ(笑)今では心からこの決断をして良かったと思っている。世界最高の選手たちと練習できて、アリソンとジョルジ(ママルダシュヴィリ)というトップクラスのGKから日々刺激をもらっている。」
「パレス戦でのデビュー」は運命だった
もしクリスタル・パレス戦でデビューを飾るなら、それはウッドマンにとってまさに人生が一周する瞬間だ。
「僕が本格的にサッカーを始めたのはかなり遅かった。学校で交代制でGKをやったとき、先生のひとり(ブルース先生)がたまたまクリスタル・パレスのコーチだった。その日の放課後に“アカデミーでトライアルを受けてみないか”と言われたんだ。そこからすべてが始まった。」
「祖父がパレスのシーズンチケットを持っていて、一緒にセルハースト・パークへ通った。ボールボーイをしたことも、マスコットとしてピッチに立ったこともある。南ロンドンで育った僕にとって、クリスタル・パレスは“生まれながらのホーム”だったんだ。」
再び夢の舞台へ ― “少年の心を持つ守護神”の挑戦
カラバオカップは、ウッドマンにとって単なるカップ戦ではない。
それは「プロとして歩み始めた原点との再会」であり、
リバプールの歴史に名を刻むチャンスでもある。
「このクラブのためにプレーできることが何よりの誇り。どんな試合でも全力でプレーし、リバプールの名に恥じないGKでありたい。そして、いつかこの大会で優勝してみたい。」
フレディ・ウッドマンの物語は、夢を信じ続ける者の象徴だ。
彼がセルハースト・パークで見た光景は、今やアンフィールドのゴールマウスで再び息づこうとしている。
少年時代に憧れたチームを前に、
彼がリバプールのユニフォームで立つ姿は、
“運命”としか言いようがない。
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