アレックス・オックスレイド=チェンバレンは、リバプールで2018年に前十字じん帯(ACL)を断裂して以来、自身につきまとってきた“ケガが多い選手”というレッテルについて、はっきりと胸の内を明かした。
元イングランド代表MFは、Fozcastのポッドキャストで元チームメイトのベン・フォスターに向け、これまで語ってこなかった心境やキャリアへの影響を赤裸々に話している。
■「“ケガに弱い”という誤解が、ずっと俺を苦しめてきた」
チェンバレンは、まず自分につきまとった“injury-prone(ケガが多い)”という評価に対する思いを語った。
「“ケガに弱い”という誤解みたいなものは、何年も俺を苦しめてきた。」
「俺がACLをやったのは2018年のリバプール時代。でも2021年になっても、インタビューで“ACLのこと”を聞かれていたのを覚えている。」
彼は、ビッグクラブでプレーすることによってケガが必要以上に大きく扱われたと感じていたという。
「大きなクラブにいて、少し名前もあって、イングランド代表でもプレーしていたら、ケガもどんどん大きく扱われる。」
「いつも感じていたのは、俺はケガするといつも“重傷”だったってこと。ハムストリングとかの軽いケガはほとんどなくて、いつも膝をやって、長い期間離脱するものばっかりだった。」
■「調子が良い時に限ってケガをした。だから余計に大きなニュースになった」
チェンバレンは、自分のケガが“ただの不運”であり、軽傷を繰り返すタイプではなかったことを強調した。
「ある意味、俺のケガって、“調子がすごい良い時”に限って起きていた気がする。」
「2018年の時も本当に調子が良かったから、あの怪我はより大きなニュースになった。」
逆に、調子が悪い時期に怪我をしたらここまで大きく扱われなかったのではないかとも語る。
「逆に、俺が調子悪くて、リバプールでスタメンを外れたりしていた時にケガをしたら、みんなそこまで気にしただろうか?」
“ケガが多い選手”というイメージに違和感があった理由も明確だ。
「“ケガが多い”っていう印象に、俺はずっと違和感があった。」
「だって俺の中で“ケガが多い選手”っていうのは、ハムストリングやふくらはぎのケガを繰り返して、体がそういう種類の故障に耐えられない選手って意味だったから。」
しかしチェンバレンの怪我はほぼすべて「接触プレーによるもの」だった。
「俺のケガはいつも“接触”が原因で、ぶつかられて負傷していた。そしていつも復帰まで時間がかかる重傷だった。」
そして彼は、そこから復帰できたことこそが、自分が“ケガに弱い選手ではない”証拠だと語る。
「でも俺は戻ってきて、またそのレベルに達してプレーできた。それこそが、俺が“ケガに弱い選手”じゃない証拠だと思う。」
「大きな膝のケガをすると、どうしてもほかの部分にも影響が出てくるし、適応しなきゃいけなくなるんだ。」
■ 復帰後は40試合以上に出場し、PL優勝にも貢献
2019/20シーズンには見事にチームへ復帰し、40試合以上に出場。
リバプールの1990年以来となるプレミアリーグ優勝において確かな存在感を示した。
とはいえ、キャリアはあの日の怪我で大きく形を変え、プレースタイルの修正やコンディション調整に苦しんだ時期も長かった。
■ 現在はアーセナルでトレーニング──イングランド復帰へ「早くプレーしたい」
チェンバレンは今、ベシクタシュ退団後の新天地を探している。
古巣アーセナルの施設でトレーニングを続けながら、適切なオファーを待つ日々だ。
「今は違うよ。どの選手にとっても嬉しい状況じゃない。」
「でも俺は、自分で選択肢を持てるところまでキャリアを築いてきた。だからいくつかのオファーには“ノー”と言ったんだ。」
家族の存在も決断に大きく影響しているという。
「今は家族や子どものこともあって、もう少し慎重になっている。」
「でも結局のところ、できるだけ早くまたプレーしたい。」
移籍というのは、自分で全てをコントロールできるわけではない。
「自分から積極的に動いたり、情報を流してチャンスを探すこともできる。」
「でも最終的には自分の手を離れている部分も多い。」
「電話を待って、クラブが“君が必要だ”と思ってくれるのを待つしかない。すごく待つ時間が多いんだ。」
彼はトルコ退団後、ヨーロッパの複数クラブから届いたオファーを断ったことも明かした。
それは自分が納得する環境で再スタートを切るためだ。
チェンバレンは“ケガに弱い選手”というイメージについて、長年抱えてきた葛藤を初めて明確に口にした。
その言葉は、キャリアの浮き沈み、期待と重圧、そして復帰のための戦いを経てきた選手だからこそ語れる重みがある。
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