リバプールは、危機的状況にあるチームの立て直しの中で“異例の判断”を下した。
ウェストハムとのプレミアリーグ戦を2日後に控えた木曜日、アルネ・スロット監督は、選手・スタッフ全員に完全オフを与えたのだ。
スロットは通常、金曜日の午前に行う試合前会見を、今回は木曜15時に前倒しして実施。
その理由は、日曜の試合に向けて、選手の“心身のリセット”を最優先したためだ。
現在、リバプールは 直近12試合で9敗 と深刻なスランプに陥っており、監督への批判・解任論が高まる状況。
そんな中での“休養決断”は大きな注目を集めている。
■ なぜ練習をしない？ スロットの明確な哲学
スロットがこの日程を採用するのは今回が初めてではない。
2月のマンチェスター・シティ戦（2-0勝利）前にも同じアプローチを取り、結果を残している。
さらに彼は1月の会見で次のように語っている。
「可能なら、試合の3日前にオフを与えるのがベストだ。いつもできるとは限らないが、基本的にそうしたいと思っている。」
過密日程の中で、リバプールのメディカルスタッフは
身体的負荷と精神的ストレスの双方を管理する仕組みを重視しており、
スロットの方針もその延長線上にある。
ただし、今回の状況は特別だ。
チームが沈んでいる今、休養という選択は一層の議論を呼ぶ。
■ 実質「前日練習1回」でロンドンへ
今回のスケジュールにより、
リバプールがウェストハム戦前にフルメニューの練習を行うのは 土曜日の1日のみ。
その練習での一部メンバー構成も、現段階で次のように予想されている。
- フロリアン・ヴィルツ：金曜は最終リハビリ、土曜の全体合流が濃厚
- ジェレミー・フリンポン／コナー・ブラッドリー：引き続き欠場
- ユーゴ・エキティケ：背中の負傷次第で練習プランを調整
- アリソン・ベッカー：体調不良から回復済み、土曜の復帰が確実
スロットはここ数日の会見で、
ジョー・ゴメスとイブラヒマ・コナテにも軽い問題があることを明かしているが、
いずれも出場に影響するほどではない。
■ 負傷者リスト：戻る選手、離脱を続ける選手
🔻復帰見込み
- アリソン・ベッカー（体調不良から回復）
- フロリアン・ヴィルツ（土曜復帰を予定）
🔸出場が微妙
- ユーゴ・エキティケ（背中のトラブル）
🔺欠場確定
- ジェレミー・フリンポン
- コナー・ブラッドリー
- ジョヴァンニ・レオーニ
- ステファン・バイチェティッチ
- ジェイデン・ダンズ
■ “危機”の中で休養を選ぶ理由
リバプールの現状を考えれば、本来なら強度の高い練習を増やしたいところだ。
しかしスロットが選んだのは、
選手の心身を一度フラットに戻すこと。
過密日程、負傷者続出、連敗による精神的ダメージ。
リバプールが抱える問題は“走り込み”で解決できる類のものではなく、
むしろ焦燥感をリセットし、落ち着きを取り戻すことが最優先と判断したのだろう。
リバプールは現在、極限のプレッシャーと不安定なチーム状況にある。
その中でスロットは、あえて“練習ではなく休養”を選んだ。
- 試合2日前に完全オフ
- 実質1日のみの最終調整
- 負傷者ケアの徹底
- メンタル処理の優先
- フィジカルと精神面の双方を整える戦略
この判断が、日曜のウェストハム戦でどんな結果をもたらすか。
スロットとチームにとって、まさに正念場となる一戦だ。
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