好調を続ける中で明かされた“原点”
カーティス・ジョーンズにとって、スティーブン・ジェラードの存在は、単なるクラブのレジェンドではない。
それは、自分のキャリアと人生を形作った人物だ。
インテル・ミラノ戦、ブライトン戦と連続して高いパフォーマンスを披露し、リヴァプールで最も充実した時期の一つを迎えているジョーンズは、アンフィールドでのブライトン戦(2-0勝利)後、インタビューでその想いを率直に語った。
「僕のキャリアと人生において、非常に大きな存在」
「スティーブン・ジェラードは、
間違いなく僕のキャリアと人生において非常に大きな存在だ。“人生”と言ったのは、彼がアカデミーで、本当に最初に僕に真正面から向き合ってくれた人だったからだ。彼は僕を変えてくれた。『自分は誰よりも優れているわけじゃない』と考えるようになった。それは、自分のプレーの仕方や、彼が僕に与えた役割という意味での現実を突きつけられる瞬間だった」
「背番号10を背負っているから“自分が主役”だと思っていた」
「スティーブン自身も言うと思うけど、僕が“物事を複雑にしすぎる癖”を乗り越えて、背番号10を背負っているからといって『自分が主役だ』と思わなくなった瞬間から、彼は真っ先に僕を自分のチームに選ぶと言ってくれていた。それが彼のやり方だった。僕はいつも年齢カテゴリーの中でトップの選手だった。そのせいで、時には少し受け身になってしまうこともあった。そんな中で、本当に、本当に厳しく僕に向き合ってくれた最初の人がスティーブンだった」
「彼が言うなら、変わらなければならないと思った」
「彼のような、僕が心から崇拝していた人から言われたことで、『これは変わらなきゃいけない』と思った。そこから、彼は僕と向き合い続けてくれたし、僕も彼と向き合い続けて、一緒に取り組んできた。それから1年後にはトップチームの周りにいて、そして今、200試合出場という節目に立っている。だから彼は、間違いなく感謝したい存在の一人だ」
才能だけでは足りなかった時期を越えて
ジョーンズの才能は、これまで一度も疑われていない。
一方で、期待に応えきれず、先発の座を完全に掴めない選手と見られてきた時期があったのも事実だ。
しかし現在は、プレーの安定感だけでなく、リーダーシップや責任感の成長もはっきりと感じられる。
それは、昨年に第一子が誕生した時期とも重なり、ピッチ内外での変化が、現在の充実したパフォーマンスにつながっているようにも映る。
競争の中で示される現在地
もちろん、簡単な道ではない。リヴァプールの中盤には、ライアン・フラーフェンベルフ、アレクシス・マクアリスター、ドミニク・ソボスライといった、トップレベルの競争相手が揃っている。
それでも今のカーティス・ジョーンズは、エリートレベルのパフォーマンスを安定して見せている。
今後求められるのは、数週間ではなく数カ月にわたってこの状態を維持すること、そしてキャリアを通じて課題となってきた負傷を避けることだ。
ジェラードが認めた「スカウスの心臓」
それでも、ジェラードというクラブの象徴的存在が、ジョーンズを高く評価している事実は、何よりの証明だ。
ジェラードは、ジョーンズがリヴァプールの「スカウスの心臓(Scouse heartbeat)」になれる存在だと語っている。
カーティス・ジョーンズの言葉から浮かび上がるのは、才能だけではトップに立てないという現実と、それを変えた一人の存在との出会いだった。
スティーブン・ジェラードの厳しさは、叱責ではなく、未来を見据えた“本気”だった。
その教えを受け止め、変わることを選んだジョーンズは、今や200試合出場を果たし、チームに欠かせない存在となっている。
現時点で見えている兆しは、すべてポジティブだ。
この成長が続く限り、ジョーンズはリヴァプールの中盤で、外せない存在であり続けるだろう。
参照↓
https://video.liverpoolfc.com/video/2526343c-cfb7-40af-af6c-64d8513a3ec9

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