スティーブン・ジェラードが、再びリヴァプールへの深い愛情を言葉にした。
クラブのレジェンドは、アルネ・スロット監督を全面的に支持しつつ、「どんな部署でも、どんな時間でも、必要とされるなら力になりたい」と語り、古巣への強い思いを明確にしている。
将来的にリヴァプールの監督になることが、ジェラードの夢であることは広く知られている。
しかし今回の発言は、その野望を前面に押し出すものではなく、あくまでクラブを第一に考えたものだった。
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「監督の座を望んでいない」ジェラードの姿勢
TNT Sportsの番組『Ally’s Social Club』で、アリー・マッコイストと対談したジェラードは、率直な言葉で心境を明かした。
「正直に言うよ。本当に正直に。僕は一日のどの時間でも、どんな部署でも、リヴァプールを助けたい。どんな形でもね」
さらに、現指揮官アルネ・スロットについては、明確な支持を表明している。
「僕はリヴァプールの監督が職を失うことなんて望んでいない。アルネ・スロットがこの状況を立て直し、リヴァプールを再び偉大なクラブにしてくれることを願っている」
この言葉から伝わるのは、自らの立場や将来よりも、クラブの安定と成功を優先する姿勢だ。
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苦境の中でも揺るがない“ファンとしての立場”
ジェラードは、リヴァプールがタイトルを獲得した際の感情についても触れている。
「4、5か月前にリヴァプールがリーグを制した時、僕は街中で飛び跳ねていた。
僕はリヴァプールのファンなんだ。クラブにとって最善のことを心から願っている」
その上で、再びこう強調した。
「もしリヴァプールが僕を必要とするなら、どんな部署でも、どんなタイミングでも、僕はそこにいる」
“次の監督候補”としてではなく、一人のリヴァプール人としての覚悟がにじむ発言だ。
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暫定監督説と、現実的な現在地
今季序盤、スロットが厳しい批判にさらされていた時期には、ジェラードが暫定監督として招かれるのではないか、という噂も流れた。
しかし、そのシナリオは現実にはならず、スロットはチームを立て直し、現在リヴァプールは6試合無敗を記録している。
ジェラード自身も、次の仕事を急いでいるわけではない。
「僕は仕事を探しているわけじゃない。職探しをして、何か空くのを待っているわけでもない」
そしてこう続けた。
「人生は充実している。家族との時間も素晴らしいし、メディアの仕事も楽しんでいる。もし本当に正しいフットボールのプロジェクトが現れたら、その時はまた情熱が戻ってくる」
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リヴァプールとの関係は今も続いている
ジェラードが最後にリヴァプールで正式な役職を務めたのは、2017年から2018年にかけてのU18監督時代だ。
その後も、レジェンズ・チャリティーマッチへの出場や、商業イベント、今年のクリスマス広告などを通じて、クラブとの関係は途切れていない。
アンフィールドとの距離は、今も決して遠くない。
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“いつか”よりも“今のリヴァプール”
今回のジェラードの発言は、「次の監督」を巡る話ではない。
むしろ強調されたのは、今のリヴァプールを支えたいという純粋な思いだった。
スロットを信頼し、その成功を願う。
そして必要とされるなら、どんな形でも力を貸す。
それは、クラブの象徴として、そして一人のファンとしての誠実な姿勢だ。
ジェラードが再びアンフィールドで重要な役割を担う日が来るのかは分からない。
だが少なくとも、彼の心は今もリヴァプールと共にある。
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