リヴァプールで7シーズンを過ごし、アリソンの背中を追い続けてきたカオイムヒン・ケレハー
控えGKとしての役割を全うしながらも、正守護神になるという目標を胸に、彼は今夏アンフィールドを離れた。
その決断は正しかったのか――。
ブレントフォードで新たなキャリアを歩むケレハーが、アリソンから学んだ「最も重要な資質」を明かしている。
■ アリソンの不在を支え続けた7年間
ケレハーはリヴァプール在籍中、アリソンが負傷離脱した際には常に信頼できる代役としてピッチに立ってきた。
しかし彼の目標は、あくまでNo.1ゴールキーパー。
その思いから、今夏はブレントフォードへの移籍を決断した。
現在のケレハーは、リヴァプール時代のシーズン最多出場記録(26試合)を更新するまであと11試合。
正GKとしての日々は、本人の言葉通り「とても順調」だ。
ケレハーが語る、アリソンの“冷静さ”
ケレハーは、ベン・フォスターのポッドキャスト『Fozcast』で、アリソンから学んだ最も重要な要素について語っている。
「あれは僕自身が見て、学んだことだ。彼を見ているだけでも分かるけど、何が起きても常に冷静でいようとしている。僕自身も、もともと性格的に落ち着いている方だから恵まれているけど、彼を見ていると、本当に反応しないんだ。素晴らしいセーブをしても、そのまま続ける。ミスをしても、そのまま続ける。『大丈夫だ』と、同じレベルにとどまり続ける。彼は決して舞い上がりすぎることも、落ち込みすぎることもない。ゴールキーパーにとって、これはおそらくとても重要なことだと思う」
7年間、至近距離で見続けたからこそ語れる、説得力のある言葉だ。
■ 「プレミアリーグ史上最高」――アリソンへの最大級の賛辞
ケレハーが持ち帰ったものは、冷静さだけではない。
「間違いなく、多くを学んだよ(アリソンから)」そう語ったうえで、彼はアリソンをプレミアリーグ最高のGKだと断言する。
だ「彼が加入した年に僕はトップチームへ昇格した。トップチームでの最初のフルシーズンが、彼の加入年だったんだ。だから彼が来てから、毎日一緒にトレーニングできたのは本当に幸運だった。彼は信じられないほど素晴らしかった。僕にとっては、彼はプレミアリーグ史上最高のGKだと思う。すべてにおいて特別なんだ。ゴールキーパーと一緒にトレーニングしていれば分かると思うけど、ある選手は“ここがすごい”という部分がある。でもこの人は、すべてがすごい。僕個人の意見だけどね。主観的なものではあるけど。彼は信じられないようなセーブができるし、アシストもたくさん記録できる。すべてを持っているよ」
リヴァプールのファンが抱いてきた評価を、内側から完全に裏付ける証言と言える。
■ リヴァプールを離れた決断に後悔なし
リヴァプールに残っていれば、ケレハーは今後も一定の出場機会を得られただろう。
実際、ジョルジ・ママルダシュヴィリはすでに複数試合に出場している。
それでも、彼の決意は揺らいでいない。
「今は本当に楽しいよ。毎試合プレーできるのは最高だ。ただ、メンタリティの面では確実に変化があったと思う。僕自身にとってもね。リヴァプールでは、たぶん10試合くらいは出場できるけど、それには終わりがあることを分かっていた。アリソンが戻ってきたら、自分は外れるってね。だから今は、毎試合プレーできると分かっている状況が本当に良いんだ」
7年間、世界最高峰のGKと共に過ごした日々は、ケレハーに確かな“軸”を与えた。
それは派手な技術ではなく、どんな瞬間でも揺れない冷静さ。
アリソンの背中から学んだその資質は、今、ブレントフォードで正守護神として立つケレハーのプレーに確実に息づいている。
アンフィールドで培った経験が、彼自身の物語として花開く時が来た。
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