「なぜ理解されなかったのか」――ジェラードが語るトレント移籍とリヴァプールファンの本音

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トレント・アレクサンダー=アーノルドのレアル・マドリー移籍は、今なおリヴァプール界隈で大きな議論を呼んでいる。

そのテーマについて、クラブの象徴的存在であるスティーブン・ジェラードが、ファン心理の核心を突く見解を示した。

■ なぜジェラードの言葉は重いのか

トレントのマドリード移籍は、アンフィールドからベルナベウまで語り尽くされてきた話題だ。

それでもジェラードの発言が注目される理由は明白だ。

彼自身が、全盛期により強力だったクラブからのオファーを断り、少年時代からのクラブをキャプテンとして背負い続けた人物だからである。

ジェラードは、

  • 2004年のチェルシー移籍拒否
  • 1999年のマクマナマンのマドリード移籍
  • トレントの2025年移籍

この3つを比較しながら、自身の考えを語った。

■ ジェラードの見解

「誰もが自分のキャリアについて決断する権利を持っている。それは完全に理解している。フットボーラーの立場として、誰かの決断に口出ししたいとは思わない。もちろん監督の立場なら、自分やチーム、クラブを守るために介入することはあるけどね。僕自身は、その中間にいたと思う。スティーブ・マクマナマンについては、彼は正しい決断をした。彼がプレーしていた当時のリヴァプールは、正直言って競争力があったとは言えない。そこからレアル・マドリードへの移籍は、フットボール的には考えるまでもない選択だった。10人中9人は飛びついたはずだし、時間が経てば、リヴァプールのファンもあの移籍は理解したと思う」

■ 「トレントは全く違う」

ジェラードが強調したのは、トレントの置かれていた状況が根本的に違うという点だ。

「でもトレントは全く違う。彼は、歴代でも最高クラスと言えるリヴァプールのチームでプレーしていた。チャンピオンズリーグ優勝候補で、リーグも勝っているチームだ。トレントは、僕がキャリアを通じて渇望していたものを、すでに手のひらの上に持っていた。今振り返っても、彼が持っていたものを自分が達成できなかったことを羨ましく思う」

この言葉こそが、なぜファンがトレントの決断を理解しきれないのかを端的に表している。

■ ファンの反応と、その重さ

トレントは11月、マドリードの選手としてアンフィールドに帰還。

途中出場した試合では、大きなブーイングを浴びた。また、L4地区に描かれていた彼の壁画は、

「rat(ネズミ)」という落書きで汚される事態にまで発展した。

これは、マクマナマンがクラブを去った際には見られなかった反応だ。

なおジェラード自身も、ジョゼ・モウリーニョの下でプレーする可能性が報じられた際、激しい批判にさらされた経験がある。

■ 「最も難しい決断だったのはトレント」

「トレントの決断は、マッカ(マクマナマン)よりも、はるかに難しかったと思う。僕自身はその中間だった。国内カップでは戦えていたし、上位争いにも加われていた。でも当時は、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、チェルシーが僕のいたチームよりはるかに強かったしかも、給料は倍を提示されていた」

■ その後の明暗

ジェラードはリヴァプールに残り、翌シーズンにチャンピオンズリーグ制覇。

疑いようのないクラブレジェンドとなった。

一方トレントは、負傷や不調に悩まされ、

マドリード加入後のラ・リーガ先発出場はわずか5試合にとどまっている。

ジェラードの言葉は、トレントを批判するものではない。

それはむしろ、リヴァプールというクラブが持つ重み、

そしてファンが選手に託す感情の深さを説明するものだ。

トレントの決断は正しかったのか。

その答えは、時間と結果だけが知っている。

だが少なくとも――

なぜファンが理解できなかったのかについて、

ジェラードは最も誠実な説明を与えたと言えるだろう。

参照↓

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