ユベントスが、フェデリコ・キエーザのローン獲得に向けてリヴァプールへ非公式な接触を行った。トリノからマージーサイドへ渡ってから、まだ17か月。あまりにも早い“古巣からの呼び声”は、彼がいま置かれている微妙な立場を如実に物語っている。
キエーザは、FAカップ・バーンズリー戦(4-1)で今季4度目の先発を果たした。しかしアルネ・スロット体制下での序列は、依然として“ローテーション要員”の域を出ていない。
アレクサンダー・イサク、コーディ・ガクポ、ウーゴ・エキティケの負傷、さらにはモハメド・サラーの不在という好条件が揃っても、彼は主力の座を掴み切れなかった。イタリア代表としてワールドカップを見据える年に、出場機会が安定しない現状は、選手として決して楽観できるものではない。
だが、『The Athletic』のジェームズ・ピアースによれば、ユベントスからのアプローチは“あくまで非公式”であり、実際に移籍が成立する可能性は低いという。
スロット監督は、キエーザを「前線の全ポジションをカバーできる貴重な戦力」と評価しており、プレミアリーグやチャンピオンズリーグで継続的に先発させるほどの信頼は置いていないものの、シーズンを戦い抜くうえで欠かせない存在と見ている。つまり彼は、“主力ではないが、手放せない”という難しい位置づけにある。
ユベントスは今冬、攻撃陣の補強を模索しており、イタリアでは「買い取りオプション付きローン」を狙うと報じられていた。しかし、リヴァプール側は「買い取り義務付き」でなければ応じない構えだ。
マージーサイドの見方では、どの形であれ合意に至る可能性は低く、クラブはキエーザを“市場に出す対象”とは考えていない。
昨夏にはナポリも関心を示していたが、28歳のウインガーは残留を選び、フィットネスを高めながらポジション争いに挑む道を選んだ。しかし現実は厳しい。
センターフォワードはエキティケが第一選択となり、サラー不在時でさえ右サイドはドミニク・ソボスライやジェレミー・フリンポンが優先される。序列が大きく変わる兆しは、いまのところ見えてこない。
移籍市場の閉幕までは、まだ2週間以上ある。オファーの規模や条件次第で状況が動く可能性は残されている。
だが現時点での構図は明確だ。
- キエーザには、出場機会を求めて動きたい理由がある
- リヴァプールには、戦力として彼を手放せない理由がある
ワールドカップイヤーに直面する選手の焦りと、長いシーズンを見据えるクラブの計算。その狭間で、キエーザは“必要とされながら、使われきれない”という板挟みの状況に立たされている。
この冬、彼がどの決断を下すのか。
それは単なる移籍話ではなく、キャリアの流れを左右する分岐点になるかもしれない。
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