セネガルの勝利を決定づけたその瞬間、サディオ・マネは“勝者”でありながら、誰よりも“人間”だった。
アフリカ・ネーションズカップ準決勝。
セネガルはエジプトを下し、決勝進出を決めた。その一撃を決めたのは、マネ。
一方で、モハメド・サラーのAFCON制覇の夢は、またしてもこの男によって阻まれることになった。
しかし、ピッチに流れていたのは、宿命的なライバル関係ではなく、深い敬意と友情だった。
キックオフ前、2人は抱き合い、
試合終了後、マネが決勝点を決めた直後にも、再び互いを抱きしめ合った。
その姿は、かつてアンフィールドで世界を震わせた“あの2人”そのものだった。
そしてマネは、試合後のインタビューで、
自分のゴールや決勝進出よりも先に、エジプトとサラーを称えた。
「まずエジプトに敬意を表したい。僕はずっと言ってきたけど、エジプトはアフリカ史上最高のチームだ。今日もそれを証明した。本当に素晴らしいチームだった。簡単な試合になるとは思っていなかったし、それがアフリカ杯というものだ。僕たちは苦しみながらも、忍耐強く戦った。特にモハメド・サラーのような偉大な選手と対戦するのは簡単ではない。彼は世界最高の選手の一人で、常にチームのために全力を尽くす存在だ。今日は彼にとって不運な結果になったけれど、これもサッカーの一部だ。立ち上がって、また夢に向かって戦い続けてほしい。エジプトについて語り出したら一晩中眠れなくなるほどだけど、このチームには心からの敬意を払っているし、幸運を祈っている」
自分が決勝に導いた直後、
“敗れた側”を最初に気遣う――
それは簡単なことじゃない。だが、それがサディオ・マネという人間だ。
別のインタビューでも、彼はこう語っている。
「彼は僕に幸運を祈ってくれたし、僕も彼に幸運を祈った。彼は偉大な選手で、今でも友達だよ」
マネとサラーは、リヴァプールで223試合を共に戦い、
35ゴールを生み出した世界屈指のデュオだった。
2017年から2022年まで、
彼らは“世界最強の前線”の象徴だった。
2022年夏、マネはアンフィールドを去り、
バイエルンを経て、現在はアル・ナスルへ。
それでも、この2人の間に流れる時間は、
今も色褪せていない。
日曜日、マネはセネガルの主将として、
開催国モロッコとの決勝に臨む。
その前日、サラーはエジプトを率いて、
ナイジェリアとの3位決定戦に挑む。
道は分かれた。
勝者と敗者になった。
それでも、
この2人の関係だけは、
“勝敗”なんかじゃ壊れない。
サディオ・マネが見せたのは、
ゴール以上に価値のあるもの――
「リヴァプールが誇った男の品格」そのものだった。
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