リヴァプールは、今夏に加入したルイス・マホーニーを、アーネ・スロット監督の“試合当日ベンチ”に昇格させた。
これは、セットプレーコーチを務めていたアーロン・ブリッグスの退任を受けた動きであり、アナリストとしてクラブに加わったマホーニーが、その役割の一部を引き継ぐ形となっている。
今季前半、リヴァプールが抱えていた最大級の課題のひとつがセットプレーだった。
フリーキック、コーナーキック、スローインからの“軽率な失点”が続き、試合の流れを自ら手放す場面が目立っていた。
クラブは12月末、この問題に対して明確な決断を下す。
夏に正式な「セットプレーコーチ」として就任したばかりのブリッグスを解任し、体制を見直したのだ。
その即時的な対応策が、
- セットプレー業務を既存スタッフで分担
- その一環として、マホーニーを“ベンチ入りスタッフ”に昇格
という構図だった。
9月にサウサンプトンから加入した37歳のマホーニーは、これまでファーストチームのセットプレー・アナリストとして、主にAXAトレーニングセンターで業務を行ってきた。
しかし現在では、試合当日に
- シプケ・フルショフ
- ジョヴァンニ・ファン・ブロンクホルスト
- GKコーチのシャビ・バレロ
と並び、スロットのすぐ隣でベンチに座る存在となっている。
マホーニーの役割は明確だ。
試合中に起こるセットプレーの状況をリアルタイムで分析し、その場でスロットやコーチ陣へフィードバックする。
“映像とデータ”を、ピッチの判断へ即座に変換する、いわば現場と分析の橋渡し役である。
セットプレーコーチやアナリストの影響力は、数字で測ることが難しい。
しかし、ひとつの事実が示唆的だ。
ブリッグス退任後、リヴァプールは
- 6試合連続でセットプレーからの失点ゼロ
- そのうち3試合でクリーンシート
を達成している。
さらに象徴的なのが、マルセイユ戦でのドミニク・ソボスライのフリーキック弾だ。
本人は試合後、こう語っている。
「誰も寝そべらなければ、壁の下を狙えるかもしれないって言われていた。
実際に誰も寝そべっていなかったから、試してみたんだ。そしたら、うまくいったよ!」
この“宿題”こそが、マホーニーをはじめとするアナリスト陣の仕事の結晶だった。
現在、リヴァプールの分析部門には、
- ヤンセン・モレノ(ファーストチーム分析責任者)
- ロデリック・ファン・デル・ハム(戦術アナリスト)
- ダニエル・スピアリット(試合後分析担当)
- ジョエル・ボナー(試合後分析担当)
といった面々が名を連ねている。
彼らは試合当日、スタンド上段で作業しながら、スロットやコーチ陣、選手たちと“即時の情報導線”を形成している。
UEFA Bライセンスを持つマホーニーは、
- スウォンジーでアナリストとしてキャリアをスタート
- 2020年にブリストル・ローヴァーズへ
- 2024年1月にサウサンプトンへ
- そして今季、リヴァプールへ
という歩みを経て、今やアンフィールドのベンチに座る存在となった。
ピッチ上のスターだけが、勝利を作るわけではない。
その背後で、相手の癖を洗い出し、1本のフリーキックを“必然”に変える者たちがいる。
マホーニーの昇格は、リヴァプールが“見えない部分”から進化を続けていることの、何よりの証明だ。
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