ロビー・ファウラーが語る、アンフィールドへの帰還と人生
20年前の今日、ロビー・ファウラーは“帰ってきた”。
赤いユニフォームを再び身にまとい、アンフィールドのピッチに立ったその瞬間は、今も多くのリヴァプールファンの記憶に深く刻まれている。
リヴァプール公式サイト「My Liverpool Story」特別編で、“ゴッド”は自らの言葉で、その人生とクラブへの想いを振り返った。
そこにあったのは、スターの回顧録ではなく、一人の“地元の少年”が、リヴァプールと共に歩んだ物語だった。
「僕という人間は、リヴァプールによって作られた。それだけで全てを表せる。僕はいつだってフットボーラーになりたかった。子どもの頃からプロになると決めていて、どのレベルまで行けるかは自分次第だと思っていた。リヴァプールには、長い歴史の中で数え切れないほどの偉大な選手がいた。そんな中で、地元出身の僕は、KOPの多くの人たちが、少し自分自身を重ねてくれた存在だったんじゃないかな。若い頃に受けたサポートは、今でも忘れられない。まあ、ゴールを決めれば自然と助けてもらえるものだけどね。ある時まで学校に通ってリザーブで練習していたのに、次の瞬間にはトップチームだった。考える時間がなかったのが、逆に良かったのかもしれない。自分は自信のある少年だったし、冷静に受け止められたと思う。実はあまり知られていないけど、プレミアリーグ最初のシーズン、最終節のトッテナム戦でベンチに入っていた。あの試合は、終盤にゴールが量産されて6-2になったクレイジーな一戦だった。今振り返れば、出場しなかったのは良かったと思う。あの時の僕は、まだ準備ができていなかった。才能は必要だけど、運も必要だ。そして僕には、少しその運があった。地元出身だからプレッシャーを感じたか?とよく聞かれる。プレッシャー? フットボールは楽しいものだ。お金をもらっていなくても、僕はやっていたよ。試合で不安になったことは一度もない。自分自身以外のことを考えたこともない。それは良いことだったと思う。」
「サポーターから“God”というニックネームをもらった。一応言っておくけど、自分でそう呼んだことは一度もない。歴代のレジェンドたちを考えれば、あれは本当に名誉なことだった。地元の痩せっぽちの少年が、その呼び名をもらったのは不思議だけど、正直に言って、フットボール界で最高のニックネームだと思う。選手としては、どのレベルであってもトロフィーで記憶されたい。僕はFAカップを心から欲しがって育った世代だ。1995年のリーグカップが、僕にとって最初のタイトルだった。デビューした大会でもあるから、特別な思いがある。2001年の“三冠”のシーズンにも関われた。その後すぐにクラブを離れたけれど、自分は十分に役割を果たしたと思っている。リーグカップ決勝とUEFAカップ決勝でゴールを決め、FAカップ決勝でも途中出場した。それから4年以上、クラブを離れた。プレーできないのが本当に嫌だった。簡単な人間じゃなかったと思う。でも、自分の力を信じていたから、そこは謝らない。最初の在籍時、リヴァプールでプレーすることを少し当たり前に思っていたかもしれない。他を知らなかったからだ。」
「2005年、イスタンブールのCL決勝を“サポーター”として見ていた時、もう二度とリヴァプールでプレーすることはないと思っていた。実チェルシー戦の準決勝後、バーでラファ・ベニテスに声をかけていた。正直、少しお酒の力も借りた。戻りたいと直接伝えたんだ。最初は軽くあしらわれた。でも、マンチェスター・シティにいたある日、突然電話がかかってきた。ゴルフ場にいて、最初はイタズラだと思ったほどだった。その場でクラブを置いて、すぐに向かった。リヴァプールに戻れるチャンスは、僕のフットボール人生で最高の出来事だった。トロフィーを獲るよりも、価値があった。再び赤いユニフォームを着られた。それを、今度は心から噛み締められた。復帰初戦、バーミンガム戦で途中出場した時のアンフィールドの歓声。あれは一生忘れない。正直、今でもたまに動画を見返して、気分を良くしている。最初の別れの時、きちんとさよならが言えなかった。だから、戻れたことが本当に嬉しかった。復帰後は12ゴールを決めた。中でも特別なのは、ケニー・ダルグリッシュを得点数で抜いた瞬間だ。“キング・ケニー”を超えるなんて、信じられない出来事だった。もっとゴールを決めたかった、という思いもある。ストライカーらしい考え方だろうけどね。リヴァプールに一生いたかった。」でも、フットボールでは、そう簡単にはいかない。
ロビー・ファウラーの物語は、単なる“クラブレジェンドの回顧”ではない。
それは、リヴァプールという街で生まれ、リヴァプールというクラブに育てられ、
一度は離れ、それでも“帰ってきた”一人の男の人生だ。
赤いシャツを着ることの意味。
アンフィールドでプレーするという特別さ。
そして、“帰る場所がある”という幸せ。
ファウラーの言葉は、今この瞬間もリヴァプールを愛するすべての人に、
静かに、そして力強く語りかけている。
リヴァプールは、ただのクラブじゃない。人生そのものなんだ。
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