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サンプル、こだわり、そして秘密――リバプールのアディダス新ユニフォームをデザインする、生粋のリバプールファンをご紹介

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こちらの投稿は上記の記事を引用しています。

ユルゲン・ランク

※ユンクは、アディダスで全てのサッカークラブ用ユニフォームデザインを統括している

「リバプールが戻ってきたことは、僕にとって本当に大きな意味があります。僕にとってイングランドでのクラブはリバプールなんです。僕は70年代生まれで、その頃リバプールは本当に大きな存在でした。当時ドイツのテレビではイングランドのサッカーをあまり放送していませんでしたが、日曜に30秒ほど放送される中で、そこには当然リバプールの映像がたくさんあったんです。それがリバプールを好きになったきっかけであり、もちろんクラブが成功していたこともあります。お気に入りのGKはドイツ代表のゼップ・マイヤーでしたが、もうひとりはレイ・クレメンスでした。」

「リバプールファンとして、そしてそのデザインを任されることになった時は本当にワクワクしました。『ユルゲン、話がある。新しいクラブが来るんだ』『どこのクラブ?』『リバプールだ』――そういうやり取りがあったんです。」

ランク氏は2004年にアディダスに入社し、2006年から2012年まで続いたリバプールとアディダスの前回のパートナーシップ時代にキットデザインを担当していた。当然かもしれないが、彼のお気に入りのユニフォームは、自身が初めて手掛けた2006〜2008年のホームキットであり、多くの有名なチャンピオンズリーグの夜を彩った一着だ。ユニフォーム作りには緻密な工程が必要であり、彼とチームは通常2年前から秘密裏に作業を行う。つまり、2026-27シーズンのユニフォームはすでに承認済みで、今は2027-28シーズンに取り組んでいる。作業はクラブと語りたいストーリーとの整合性を確認するコンセプトチェックから始まる。その後、最初のスケッチが作られ、そこから試作品がつくられ、フィードバックを反映する――この工程を2回繰り返し、最終的に完成へと向かっていく。

「本当に大変な作業です。多くの人の力が必要なんです。デザインはその一部に過ぎません。スポーツマーケティング、プロダクトマーケティング、開発担当、現場のスタッフ――全員が意見を出します。最終的には、それらのアイデアを形にして、美しいサッカーユニフォームに仕上げるのがデザイナーの役割です。クラブとは何か?クラブのビジョンとは何か?クラが象徴するものは何か?それを理解することが非常に重要です。未来志向で過去にこだわらず、新しい方向へと進みたいクラブもありますし、歴史を誇りに思うクラブもあります。クラブのビジョンや価値を把握し、それをユニフォームで可視化する必要があるのです。」

リバプールが再びアディダスのファミリーに加わったことで、今季のホームキットには2006〜08モデルへのさりげないオマージュが込められている。また、アウェイ用のエンブレムには特別な物語がある。クリーム色のユニフォームに付けられたバッジは、もともと2012-13シーズンのために作られたものだったが、契約終了とともにお蔵入りとなっていた。しかし、アンフィールドの博物館を歩いていてインスピレーションを得たランク氏は、そのデザインを手元に残していた。

「このバッジは“眠らせて”おいて、再び出すべき時を待っていました。そして今がその時です。バッジの形はアンフィールドの最初のメインスタンドの曲線からインスピレーションを得たものです。リバプールらしさを取り入れ、それをアウェイユニフォームに載せることで、リバプールをアウェイの地や他都市へ持ち運ぶ。それがアイデアなんです。僕にとっては特別な物語です。自分がそのバッジをデザインできたこと、そしてその背後にあるストーリーや形に意味があることが嬉しい。最初に頭に浮かんだのは『このバッジを復活させなければ』という思いでした。リヴァプールに提案するとポジティブな反応があり、覚えている人もいました。今回こうして復活できたのは、人生の教訓のようなものです。正しいタイミングを待つことも大事なんだと思います。本当に素晴らしい経験でした。そして同時に大きなプレッシャーでもありました!でも間違いなく、2006年のホームユニフォームが僕にとって一番のお気に入りです。」

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