アンディ・ロバートソンは、最後まで“リヴァプールの副キャプテン”だった。
仲間を守り、
クラブを支え、
そして苦しみの中でも前を向こうとしていた。
今季、リヴァプールは崩れた。
守備は不安定になり、
タイトル争いから脱落し、
クラブ全体が揺らいだ。
だが、その裏側には、外からは決して見えない“痛み”があった。
ディオゴ・ジョタの突然の死。
ロバートソンは今、その悲劇がチームへ与えた影響を、初めて深く語った。
「何週間も、誰もサッカーなんてしたくなかった」と。
そしてその一方で、去りゆく副キャプテンは、“次の世代”への信頼も口にした。
イサク。
ヴィルツ。
フリンポン。
ケルケズ。
苦しみの中で始まった新時代を、彼は確かに信じている。
ロバートソンは未来を悲観していない。
「自分が去るクラブについて言えば、2017年の段階とは違うと思っている。(クロップがほぼゼロから再建していた頃ではなく)今は“移行期”なんだ」
ロバートソンはそう語った。
彼はリヴァプールで、チャンピオンズリーグとプレミアリーグ2回を含む8つの主要タイトルを獲得している。
「この旅が始まった時、モー・サラーは“世界最高の選手”として加入したわけじゃなかった。フィルジル・ファン・ダイクも、“世界最高のCB”ではなかった。アリソンも、“世界最高のGK”じゃなかった。トレントも、“世界最高の右SB”ではなかった。昨夏、自分たちはワクワクする選手たちを獲得した。彼らは全員、リヴァプールで素晴らしいキャリアを築くと思っている。それは間違いない。でも同時に、彼らはまだ若い。トレーニングや試合、そして彼らの姿勢を見れば、十分すぎるほど分かる。彼らは成功するよ。リヴァプールの未来について言えば、あのロッカールームには再び成功を掴むだけの力が十分にあると信じている」
ロバートソンは、今季の低迷について誰もが原因を探してきたと語った。
その中で、アルネ・スロットへのプレッシャーも増している。
しかし彼は、“クラブ外の人間には決して本当には理解できない理由”が一つあると感じている。
それが、昨年7月に交通事故で命を落としたディオゴ・ジョタの死だった。
「言い訳ではない。でも、自分たちが夏に経験したことを、どんなチームも経験すべきじゃない。本当に、誰にもそんな経験をしてほしくない。自分たちが味わった悲しみは…サッカーなんてどうでもよくなるほどだった。何週間も、自分たちはサッカーのことなんて気にしていなかった。誰一人、練習なんてしたくなかった。それが現実だった。でも、自分たちはプロサッカー選手だ。前へ進まなければならない。戦い続けなければならない。そして、自分たちはそれをやってきた。ボーンマス戦(開幕戦)は、本当に感情的な試合だった。ジョッツの家族全員が来てくれていたからね。20分あたりから、自分たちのパフォーマンスが落ちたのが見えたと思う。それほど、自分たち全員に与えた感情的な影響が大きかったんだ」
リヴァプールの歴史は、
勝利だけで作られてきたわけではない。
苦しみ。
喪失。
そして、それでも前へ進もうとする意志。
それこそが、このクラブの本当の強さだった。
ロバートソンの言葉は、
今季の低迷が単なる“戦術の失敗”だけではなかったことを物語っている。
仲間を失った悲しみ。
崩れかけた日常。
それでも戦い続けなければならなかった現実。
その中で、彼らは前へ進もうとしていた。
そして今、ロバートソンは去る。
だが最後に残したのは、“絶望”ではなかった。
「このチームには、また成功できる力がある」と。
その言葉を証明できるかどうか。
それが――
これからのリヴァプールに課された最大の使命になる。
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