プレミアリーグ幹部は、独自のストリーミングチャンネル「Premflix(プレムフリックス)」の立ち上げに向けて準備を進めている。
この動きは、数十億ポンド規模に及ぶテレビ放映権ビジネスに革命をもたらす可能性があり、イングランドのトップリーグを自宅で観戦するすべての視聴者の視聴方法を変えることになるかもしれない。
プレミアリーグの最高経営責任者リチャード・マスターズは、シンガポールで放送事業者StarHubと提携し、視聴者へ直接提供する新たなストリーミングサービスを開始すると明かした。これは「Premier League +」チャンネルの試験的な取り組みとなり、来季から全380試合をライブ配信し、マガジン番組などの関連コンテンツも提供される。
3pmブラックアウト問題と海外展開
現在、イギリス国内では土曜午後3時キックオフの試合をテレビで生中継できない「3pmブラックアウト」規則が存在する。しかし、海外の放映契約はこの規則の対象外である。
業界内では2029年の次回テレビ契約後にブラックアウトが廃止される可能性があるとの見方も広がっているが、プレミアリーグ関係者は現時点でイギリス国内のブラックアウトを廃止する即時の計画はないと強調している。
プレミアリーグ幹部は、極東地域で「Premier League +」が成功を収めることを期待しており、それが実現すれば、20クラブがテレビ放映権を視聴者へ直接販売する道が開かれる可能性がある。
マスターズCEOの発言全文
ロンドンで開催されたFT Live Business of Football Summitで、リチャード・マスターズは次のように語った。
「シンガポールで、初めて消費者へ直接提供する形に進む。これは非常に長い時間をかけ、慎重に検討したプロセスだ。現地の二大プロバイダーの一つであるStarHubと6年間の契約を結んでいる。来季からは“Premflix”ではなく、正式名称の『Premier League +』としてついに始動する。」
「プレミアリーグが自ら顧客を持つのはこれが初めてだ。プロモーション、価格設定、解約率(チャーン)、配信、そうしたあらゆる要素に対応しなければならない。私たちは一つのビジネスを築こうとしている。同時に、それが世界中で再現可能かどうかを学ぼうとしている。」
「私たちは今、自らのコンテンツのコントロールを手にした。将来を違った形で見据えることができるようになり、独立したビジネス部門になる可能性もある。いずれにせよ、私たちが持つさまざまな選択肢を、より実行しやすくするものだ。」
また、シンガポールでは3pmブラックアウトの制限を受けないことについて問われると、こう答えた。
「その通りだ。この国(イギリス)以外では、誰もその規則の対象ではない。」
巨額契約の転換点
イングランドのトップリーグは、SkyおよびTNTスポーツとの総額67億ポンド規模の国内放映権契約によって、世界で最も裕福かつ強力なリーグへと成長した。
しかし、その構図は変わりつつある。
プレミアリーグは放映権を自ら主導する方向へ舵を切り始めた。
海賊版配信やFirestickといった違法視聴の拡大、そして長年続く土曜午後3時のテレビ放映禁止に対する視聴者の不満も、この動きの背景にある。
現行のSkyとの契約は2029年まで続くものの、大きな変革が進行中であることは明白だ。今後も既存放送局との契約は維持される可能性が高いが、同時にリーグ自身が直接配信する未来も現実味を帯びている。
放映モデルの終焉か、新時代の幕開けか
「Premier League +」は単なる新サービスではない。
それは、数十年続いた放映モデルへの挑戦である。
このシンガポールでの試みが成功すれば、プレミアリーグは世界中のファンへ直接コンテンツを届ける新たな時代に突入するだろう。
“Premflix”構想は、もはやアイデアではない。
それは始まりつつある、現実だ。
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