アンフィールドで、一つの時代が終わろうとしている。
モハメド・サラー。
アンディ・ロバートソン。
長年リヴァプールを支えてきた功労者たちが、今季限りでクラブを去る。
だが、その“最後の日”を前に、サラーが語ったのは自分自身のことではなかった。
彼が口にした名前は、ジョーダン・ヘンダーソン。
かつてともに頂点へ辿り着いたキャプテンへ、サラーは強く願った。
「彼には、ふさわしい別れが必要だ」
それは単なる敬意ではない。
リヴァプールというクラブが、
何を大切にしてきたのかを示すメッセージだった。
サラーはインタビューの中でこう語った。
「彼(ヘンダーソン)は本来受けるべき送り出しを受けられなかった。なぜなら、すぐに去ってしまったからだ。街の人たちは、ヘンドにとってこのクラブがどれだけ大切だったかを知っている。彼は12年間キャプテンだった。自分よりも、ファン・ダイクよりも、誰よりも長くね」
ヘンダーソンは2023年、1200万ポンドでアル・イテファクへ移籍。
当時の監督はスティーブン・ジェラードだった。
2022-23シーズンには先発機会が減少しており、その前年の43試合先発に対し、29試合に減っていた。
ヘンダーソン自身は控え選手になることを望まず、サウジアラビアからの高額オファーを受けて移籍を決断。
しかし、その挑戦はわずか6カ月で終わり、その後アヤックスへ加入した。
そして今、プレミアリーグへ戻ってきたヘンダーソンに対し、サラーは“特別な1日”にしてほしいと願っている。
最終節では、自身とアンディ・ロバートソンもアンフィールドでの9年間に幕を下ろすことになる。
「クラブがどうするかは分からないし、サポーターがどうするかも分からない。でも、彼のために何か特別なことをしてほしいと本当に願っている。彼はこのクラブ最高の選手の一人だった。彼がいなければ、自分たちは今まで成し遂げてきたことを達成できなかった。だからファンには、彼をしっかり送り出してほしい。本当にそう願っている。ドレッシングルームの中で何が起きていたか、外からでは分からないことも多い」
サラーはジェラードにもこう語った。
「君は知っているはずだ。彼と一緒にプレーしていたし、このクラブへの情熱や愛情がどれほど強いかも分かっている。だからクラブにも何かしてほしいし、ファンにも彼のために特別なことをしてほしい。だってここはリヴァプールだから。自分たちはそういうクラブなんだ」
もちろん、他にも退団した選手はいたが、ヘンダーソンやクィービーン・ケレハーは特に愛された存在だった。
そして元キャプテンにとって、その別れは非常につらいものだった。
ヘンダーソンは昨年10月、自身の退団について率直にこう語っている。
「リヴァプールを離れること自体が巨大で、本当に苦しかった。どんなタイミングであっても辛かったと思う。あそこは長年、自分の人生そのものだったから。だから離れた後は、本当に苦しんだ時期があった。正直、試合もあまり見られなかった。特にリヴァプールの試合は見られなかった。プレミアリーグもほとんど見ていない。地球の反対側にいたのは、そういう意味では良かったかもしれないね。本当に苦しかった。でも長年いたクラブを離れるというのは、人生の大部分を捧げてきたものを失うような感覚なんだ。どこへ行っても、何をしていても、その感覚は消えなかった。どう表現したらいいか分からないけど、まるで“失恋”みたいだった。長く在籍したクラブを去る選手なら、きっと同じように感じると思う。引退でも移籍でも、強い愛着があればなおさらだ。時間が経てば変わっていくし、人は前へ進む。でも、あの時期が一番苦しかった」
ヘンダーソンがクラブにもたらした貢献を考えれば、アンフィールドで温かく迎えられることは間違いないだろう。
そして今、サラーの願いによって、クラブとコップには“忘れられない1日”を作る責任が託されている。
それはまさに、“時代交代”の瞬間になる。
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