リヴァプールは、ボールを持っている。
だが――
勝てない。
チェルシー戦後、アルネ・スロットが口にしたのは、今季のリヴァプールが抱える“核心”だった。
「自分はボール保持を愛しているわけじゃない。
求めているのは、チャンスとゴールだ」
その言葉は、単なる試合分析ではない。
今季を通して積み重なってきたフラストレーションと、来季へ向けた“方向転換”の宣言だった。
リオ・ングモハの交代について
「ケガではない。少し前に足をつって倒れていた。本人と話した結果、“もう限界だ”ということだったので交代させた」
観客の反応について
「良いプレーをしていた選手を下げれば、当然ああいう反応になるのは理解できる。彼(リオ・ングモハ)は良い選手だ。ただ、自分は“50〜60%の状態で違いを作れるレベルにはまだ達していない”と判断した。ファンは違う意見だったかもしれない。でも、自分にはプレー続行が難しいと伝えてきた。もちろん、彼の番号が表示された瞬間にブーイングが起きるのは分かっていた。でも、それを恐れてプレーできない選手を残すわけにはいかない。それに、そもそもこのクラブがチェルシー相手に1-1で満足するべきではない。自分たちは常に勝利を目指している。勝てなければ失望する。今季は期待ほど勝てていないから、そのフラストレーションが表に出たのだと思う。ただ、そのフラストレーションはファンだけではなく、自分や選手たちも同じだった」
“引いて守れ”と指示したのか?
「もちろん違う。自分が『下がれ!自陣を守れ!』と叫んでいたのを見たかもしれないが、それは冗談じゃない。自分たちが引くことを望んだわけではない。ただ、チェルシーがどんどんボール保持に自信を持ち始めた。彼らはウイング不在で、中盤の選手を多く配置していた。その結果、中盤を支配され、何度も自分たちを突破された。大きな決定機は多くなかったが、試合の主導権は完全にチェルシー側だった。ハーフタイムで修正を加えた。それが後半、自分たちがより前からプレスをかけ、主導権を取り戻せた理由だ。ただ、結局ゴールを決められなかった。自分が“引いて守れ”なんて言う監督だと思われるのはフェアじゃない。それは単に、中盤をコントロールできなかった結果だ」
選手とファンのフラストレーションについて
「もちろん問題だ。負けが多すぎるということだから。ただ、ファンは試合を通して選手たちを支えてくれていた。もっと違うものを見たかったのは、ファンだけじゃなく、自分も選手たちも同じだ。ただ、相手にも良い時間帯はある。問題は、今季ずっと“自分たちが良い時に追加点を取れない”ことだ。それがより大きな問題かもしれない」
イブラヒマ・コナテの状態と復帰選手について
「コナテは足を引きずっていたが、本人は“けいれんだ”と言っていた。明日の状態を見て判断する。モハメド・サラーは復帰に近づいている。アリソンも近い。フロリアン・ヴィルツについては、回復次第だ」
ファンの信頼を取り戻せるか?
「もちろんだ。ただ、今季中ではない。今季に対する評価はもう変わらないだろう。でも、自分たちが計画している夏を過ごせれば、来季は全く違うチームになると100%確信している。結果も、プレー内容も変わる。ただ、欲しいものをすべて手に入れられるとは限らない。今季、自分たちに何が足りないかは非常に明確だ。一つは“フィットした選手”だ。今いる選手たちは努力しているが、それだけでは足りない」
ホームでのフラストレーションについて
「ファンにもっと喜べるものを見せたい。でも、今の自分たちは十分にできていない。ボール保持率は高い。でも、自分はボール保持を愛しているわけじゃない。自分が求めているのは“チャンスを作り、ゴールを決めること”だ。昨季との最大の違いは失点数ではなく、得点数だ。昨季は同じような内容でもゴールが取れていた。今季は、それができていない。このクラブは、ボール保持をどうゴールにつなげるかを過去何年も見せてきた。でも今季は、それを十分にできていない」
支配するだけでは、意味がない。
重要なのは――
どれだけゴールへ変えられるかだ。
今季のリヴァプールは、
その“最後の一歩”に苦しみ続けた。
だが、スロットはすでに理解している。
何が足りないのか。
何を変えるべきなのか。
だからこそ、この夏はただの補強期間ではない。
リヴァプールが再び“強いリヴァプール”へ戻るための、再構築の始まりになる。
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