“宿敵”であり、尊敬すべき友──マドリードから見たクロップの偉業
カルロ・アンチェロッティとユルゲン・クロップ。
サッカー史に残るこの2人は、幾度となくヨーロッパの舞台で相まみえ、その度に知略と情熱がぶつかり合う戦いを見せてきた。
2021年初頭、アンチェロッティはエヴァートンを率い、約22年ぶりとなるアンフィールドでのマージーサイド・ダービー勝利を挙げた。
さらに翌年、2022年のチャンピオンズリーグ決勝ではレアル・マドリードを率いてリバプールを撃破。
そしてその翌シーズンのCLでも、再びリバプールをラウンド16で下す(2戦合計6-2)など、クロップにとっては幾度も立ちはだかる“白い壁”であった。
だが、そんなライバル関係の裏にあるのは、深い敬意と友情だった。
「彼は素晴らしい監督で、素晴らしい姿勢を持っている」
アンチェロッティは、クロップを称える言葉を惜しまない。
「彼は本当に素晴らしい監督で、素晴らしい姿勢を持っている。私たちは良い友人同士で、とても良い関係を築いている。もちろん、彼の将来に幸運を願っているよ。」
冷静沈着な“名将アンチェロッティ”が「友人」と語る相手は多くない。
そんな彼がクロップに対してここまで温かい言葉を送るのは、監督としての哲学と人間性に共鳴しているからだ。
「9年間、リバプールをトップに保ち続けた。それは本当に驚異的だ」
アンチェロッティは、クロップの功績を“時代を定義する仕事”だと断言する。
「彼がリバプールで成し遂げたこと――9年間もリバプールをトップの位置に留め続けたことは本当に素晴らしい。チームは常に魅力的なサッカーをしていたし、見ていて本当に楽しかった。感謝の言葉を送るべきだと思う。リバプールのファンだけでなく、フットボールを愛するすべての人々がね。彼が築いた“リバプールのスタイル”は、見ていて純粋に楽しめるものだった。」
この「エンターテインメント性への称賛」は、アンチェロッティのような勝利至上主義の名将からすれば異例の発言だ。
それは、クロップが勝利と情熱、戦術と感動を両立させた稀有な指導者である証でもある。
「リバプールは歴史の中で永遠に残るクラブ。そしてクロップはその魂を蘇らせた」
アンチェロッティは、クロップがリヴァプーを“歴史にふさわしい場所”へ戻したと語る。
「リバプールはマンチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリードと同じように、サッカーの歴史に名を刻むクラブだ。そしてユルゲンは、そのクラブの歴史を再びトップに押し上げることができた。それは、ユナイテッド、レアル、イタリアのミランでも同じようにあるべきことだ。このスポーツの歴史に永遠に残るクラブがいくつかある。リバプールもその一つなんだ。」
リバプールを「歴史の一部」として語るアンチェロッティ。
その言葉には、クロップが築いた9年間の重みが確かに刻まれている。
勝負を超えた尊敬、フットボールをつなぐ“師弟のような友情”
アンチェロッティとクロップ――。
両者のサッカーは異なる。
だが、彼らには共通して「人間を中心に置く哲学」がある。
試合が終われば、互いに握手を交わし、微笑みを交わす。
その姿こそ、フットボールという競技が本来持つ美しさを体現している。
アンチェロッティが語った「フットボールに感謝すべきだ」という言葉は、クロップという監督の存在が世界中のファンに“サッカーの楽しさ”を再認識させたことを意味している。
ユルゲン・クロップ――彼はただの監督ではなく、フットボールを再びロマンチックにした男だ。
参照記事↓
https://www.liverpoolfc.com/news/we-have-say-thanks-him-jurgen-klopp-through-eyes-his-rivals

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