偶然の運命が導いた、二人の戦いの歴史
トーマス・トゥヘルとユルゲン・クロップ。
この2人をつなぐのは、ただのライバル関係ではない。
サッカーの歴史の中でも稀に見る――“運命的な縁”である。
トゥヘルはクロップの後を追うようにして、FSVマインツ05、そしてボルシア・ドルトムントの監督に就任。
そして2016年、彼がドルトムントを率いていた時に、アンフィールドで起こった“奇跡”――
ヨーロッパリーグ準々決勝のリバプールの大逆転劇を、彼はピッチサイドで見届けることになる。
その後も両者の戦いは続いた。
トゥヘルがパリ・サンジェルマン(PSG)を率いた時、そしてチェルシーを指揮した時にもクロップと再び対峙。
特に2021-22シーズンのFAカップ決勝とカラバオカップ決勝では、いずれも120分間スコアレスの死闘の末、PK戦でクロップのリバプールが勝利した。
「あの2つの決勝は、私の記憶に永遠に残る」
トゥヘルはその2つの決勝戦を、今でも鮮明に覚えているという。
「あの2つの決勝は、残念ながら一生忘れられないだろうね。どちらも0-0で終わり、延長戦では両チームとも得点したものの、VARでオフサイドが判定された。個人的に、あの2試合は監督としてベンチから見てきた中で最も素晴らしい試合のひとつだった。結果は同じだったし、私がチェルシーの選手たちに伝えた気持ちも同じだった。“すべてを出し尽くした。恥じることなんて何もない” とね。」
冷静で理論的なトゥヘルが、“敗戦”の中に敬意を込めて語るその言葉には、
クロップが生み出したリバプールのエネルギーと闘志への純粋な感嘆が滲んでいる。
「彼は“家族”を作る監督だ」
トゥヘルはクロップという人物を語るとき、いつも「感情」という言葉を強調する。
「彼は本当に特別な監督だと思う。彼は“感情的なクラブ”を率いることを選び、そしてそういう場所で成功してきた。マインツ、ドルトムント、そしてリバプール――どのクラブにも情熱的なファンがいて、まるで家族のような一体感がある。そんな環境こそ、彼が最も力を発揮できる場所なんだ。」
「逆境から這い上がり、想定を超えて成功をつかむ。追う立場であり、挑戦者である――そうした状況でこそ、彼は最高の力を発揮する。だからこそ、リバプールとの出会いは完璧だった。彼は自分のエネルギーをクラブに注ぎ込み、その情熱を伝染させ、クラブ全体を自分のチーム、自分のファミリーに変えてしまう。ドイツでもそうだったし、リバプールでも同じことを成し遂げた。それが、彼という監督なんだ。」
参照記事↓
https://www.liverpoolfc.com/news/we-have-say-thanks-him-jurgen-klopp-through-eyes-his-rivals

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