リヴァプールにとって、この夜はただの試合ではない。
2点ビハインド、相手は欧州王者――
だが、それ以上に大切なものがここにはある。
アルネ・スロットが口にしたのは、シンプルで揺るがない言葉だった。
「ここはアンフィールドだ」
ピッチの上だけではない。
スタンド、歴史、そして記憶――すべてがひとつになる場所。
そのすべてを背負い、リヴァプールは運命の90分へと向かう。
「ここ2シーズン足らずでフランス王者と対戦するのは今回で4度目になる。我々は彼らのクオリティを十分理解しているが、同時にアンフィールドで自分たちのファンの前に立つことで得られるチャンスも分かっている。何よりもまず、これは自分たちのクオリティを示す機会だ。先週のパリでは、相手がそれを見せつけたと言っていいだろうし、2-0という結果について、リヴァプールに関わる誰も文句を言えない内容だった。しかしトンネルに掲げられている言葉の通りだ――“ここはアンフィールドだ”。ここは我々のスタジアムであり、我々の人々がいる場所だ。そしてこのような夜に、ピッチ内外すべてが噛み合えば何が起こり得るのか、我々は知っている。第1戦の直後にも言ったが、PSGは我々にまだチャンスを残してくれた。だからこそ、その“命綱”を最大限に活かさなければならない。そのためには、自分たちの持てるすべてを出し切り、避けられないプレッシャーに対処し、必要であれば苦しむ時間にも耐えることが求められる。何より重要なのは、“リヴァプールらしく”プレーすることだ。キックオフから最後の笛まで闘志を示し、執拗に競り合い、このような舞台にふさわしいサッカーを見せることだ。必要な要素はすべて分かっている。あとはそれをピッチで表現するだけだ。そしてその先に何があるかを見ることになる。スタジアムにいる誰もが、PSGがどれほど強いチームか理解しているだろう。彼らは欧州王者であり、それには理由がある。昨季も2試合で非常に接戦となり、PK戦で敗れたが、その時点でも彼らがこの大会を制する力を持っていることは明らかだった。今回も同様だ。しかし我々には、彼らのような強豪であっても簡単には楽しめないような雰囲気を作り出すチャンスがある。それができれば、何だって起こり得る。今夜の試合に向けて、ルイス・エンリケ監督、選手、スタッフ、そしてPSGの関係者とサポーターの皆さんをアンフィールドに歓迎したい。彼らは希望だけでなく、自分たちが次のラウンドへ進むという自信も持ってここに来るだろう。そのクオリティとアドバンテージを考えれば、それは当然であり、我々もそれを尊重している。しかし同時に、自分たち自身を信じなければならない。そして試合そのものとは別に、今夜はヒルズボロの悲劇から37年を迎える。40年近くの時が経ったが、遺族や生存者、リヴァプールサポーター、そして多くの人々が今もなおその影響を受けていることを、私自身も十分に理解している。監督に就任してから、彼らの話を聞く機会があったが、どれだけ時間が経っても、その重みが薄れることはない。ヒルズボロ法制定を求める運動についても聞いているが、その背景や理由を知るほどに、なぜ今なお実現していないのか驚かされる。これはリヴァプールとの関係だけで言っているわけではない。愛する人を失った遺族が真実を知るために闘い続けなければならない社会であってはならない、という一人の人間としての考えだ。本来、それは当然のこととして提供されるべきものだ。今夜、我々は97人を追悼し、敬意を表する。そして長い年月を経た今、この国が彼らを本当に称えるために最もふさわしい方法は、遺族と支援者たちが求めている法律を実現することだ」
必要なのは、完璧なパフォーマンス。
そして、信念。
戦術でも、状況でもない。
最後に勝敗を分けるのは、
どれだけ自分たちを信じ切れるかだ。
このクラブは、それを何度も証明してきた。
だからこそ――
もう一度、すべてを懸ける時だ。
参照↓
https://www.liverpoolfc.com/news/read-arne-slots-programme-notes-liverpool-v-paris-saint-germain

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