「君たちは全員、新加入選手だ」──イラオラが明かした新時代のリヴァプール構想【初インタビュー後編】

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アンドニ・イラオラは、リヴァプールに来て早々、大規模な改革や派手な補強の話を口にしたわけではなかった。

その代わりに彼が語ったのは、“今いる選手たち”への信頼だった。

「私にとって、君たちは全員新加入選手だ」

リヴァプールの新指揮官は、現在のスカッドをゼロベースで評価する考えを明かし、選手たちに新たなスタートを与えることを約束した。

また、クラブに残るスタッフへの敬意、若手育成への期待、そして自身が大切にするチーム文化についても言及。そこには単なる監督交代ではなく、“新しいリヴァプール”を築こうとする明確なビジョンが見えていた。

――監督としてのスタイルについて教えてください。ピッチ外ではどのようにチームを導くのでしょうか?

「私たちは監督として様々な役割を担うけれど、最も大切なのは選手を助けることだと思っている。私はいつも言うんだ。「監督の仕事は、選手たちが最高のパフォーマンスを発揮できる集団的な土台を作ることだ」と。それぞれの選手に最適な役割を与える。個人としても成長できると感じてもらう。良い文化や雰囲気を作る。そうすることで全員ができるだけ幸せな状態で仕事ができる。私はいつもこう考えている。「全員が幸せで、チームの雰囲気が良ければ、それだけで勝点につながる」と。もちろん全員を満足させることは不可能だ。でも誰もが安心して仕事ができる環境を作ることはできる。それが監督の役目だと思う。」

――アルネ・スロットはCL出場権を確保しました。あなたにとっても楽しみな舞台ですね。

「もちろんだ。まずアルネには最大限の敬意を表したい。彼はプレミアリーグ優勝監督だ。それはリヴァプールのようなクラブでは非常に大きな功績だ。私は選手としてチャンピオンズリーグを経験したのは一度だけだった。ヨーロッパリーグには何度も出場したけれどね。だから監督として初めてCLを戦えることを本当に楽しみにしている。大きな要求がある一方で、ヨーロッパ最高のクラブと戦える機会でもある。そして、自分たちがどの位置にいるのかを知ることができる。」

――プレミアリーグで3年戦った経験は大きなアドバンテージでは?

「間違いなくそうだ。このリーグに残ることで、選手たちをすでによく知っている。リヴァプールも何度も分析してきた。強みも弱みも理解している。私は今のスカッドを本当に高く評価している。もちろん改善すべき部分はある。どのクラブもこの時期はそうだ。でもまずは、今いる選手たちを最大限評価したい。私は彼らにこう伝えるつもりだ。「君たちは全員、新加入選手だ」と。私にとっては全員が新しい選手なんだ。そして、このチームには本当に大きなクオリティがある。一緒に仕事をするのが楽しみだよ。以前一緒に仕事をしたのはミロシュ・ケルケズくらいだ。もちろん何人かとは話をしたけれどね。また彼と一緒に仕事ができるのは嬉しいし、さらに成長を手助けしたい。」

――選手たちとは電話で話す予定ですか?

「今の段階では、選手と話すことよりもスタッフと話すことの方が大切だと思っている。選手たちは休暇中だったり、代表活動中だったりする。私は毎日彼らを見てきたスタッフたちと話したい。選手をよく知る人たちから情報を得たい。プレシーズン初日に最高の状態で臨むためにね。特に若手たちについては多くを知りたい。環境づくり。組織作り。良い雰囲気作り。それらを整えたい。そして選手たちが初日に来た時、「全てが整っている」と感じてもらいたい。」

――スタッフ編成については?

「現在、最高のスタッフを作る作業を進めている。でも今一番大切なのは、すでにクラブにいるスタッフたちを理解することだ。テレビには映らない人たち。アナリスト。フィジカルスタッフ。毎日選手と接している人たち。彼らは私たちにとって非常に大きな存在になる。新しいスタッフも来るけれど、今までクラブを支えてきた人たちも同じくらい重要だ。」

――プレシーズンの日程は決まっていますか?

「かなり準備は進んでいる。私たちが来る前から多くの仕事が行われていた。だから大きく変更するつもりはない。もちろんW杯組は合流時期が異なる。でも全体としては非常にスムーズに進んでいるよ。」

――アメリカツアーについては?

「楽しみだね。ボーンマス時代にもアメリカへ行ったことがある。シカゴを拠点にしていた。チームの最初の試合を見る絶好の機会になる。そして私自身、このクラブがどれほど大きいかを改めて実感するだろう。リヴァプールには世界中にサポーターがいる。彼らに良い試合を見せたい。」

――アメリカは特別な場所でもありますね。

「そうだね。私は選手生活の最後をMLSで過ごした。アスレティック・ビルバオで16年間プレーした後、「もうヨーロッパではプレーしたくない」と思ったんだ。だからニューヨーク・シティFCへ行った。本当に素晴らしい経験だった。その頃から考え始めたんだ。「引退後、自分は何をするんだろう?」と。年齢を重ねると足は衰える。でも試合を見る目は良くなる。選手として最高の時期ではなかったかもしれない。でも監督としての人生へ進む上で非常に重要な期間だった。」

――これまでの監督たちの影響も大きい?

「もちろんだ。キャリアで出会った全ての監督に感謝している。私は良い監督たちから多くを学んだ。練習方法。戦術。試合の考え方。全員から何かを吸収してきた。そして今でも学び続けている。他の監督が練習を見学に来れば話をする。新しいアイデアを学ぶ。サッカーは進化を止めない。もし自分が学ぶことをやめたら、その瞬間に後退が始まる。だから進化し続けなければならない。それが私たち監督の大きな挑戦なんだ。」

イラオラの言葉から感じられたのは、焦りでも、革命でもない。

信頼だった。

選手への信頼。
スタッフへの信頼。
そしてクラブそのものへの信頼だ。

「全員が幸せで、良い雰囲気があれば勝点につながる」

その考え方は、戦術やシステム以前に、強いチームの土台を作ろうとするものだろう。

もちろん、リヴァプールの監督に求められるのは結果だ。

プレミアリーグ。
チャンピオンズリーグ。
そしてタイトル獲得。

その期待から逃れることはできない。

だが、イラオラはその重圧を理解した上で、この挑戦を選んだ。

「学ぶことをやめた瞬間、人は後退する」

そう語る新指揮官の姿勢は、クラブが再び前へ進むために必要なものかもしれない。

リヴァプールの新時代は、すでに始まっている。

そしてその第一歩は、“変えること”ではなく、“今あるものを信じること”から始まろうとしている。 

参照↓

https://www.liverpoolfc.com/news/andoni-iraola-qa-leadership-style-lfc-squad-pre-season-and-more

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