アンドニ・イラオラにとって、リヴァプールの指揮官として初めて迎えたアンフィールドでの一戦は、期待と課題が入り混じる90分となった。
ASモナコとのプレシーズンマッチでは、アレクサンダー・イサクとフロリアン・ヴィルツのゴールで開始30分までに2点をリード。イラオラが求める前向きで強度の高いサッカーを披露し、スタンドを大いに沸かせた。
しかし、その勢いを最後まで保つことはできなかった。
前半終了間際から流れを失うと、後半に逆転を許して2-3で敗戦。リーズ戦に続き、良い時間帯を90分間持続できないという課題が浮き彫りになった。
「今は、自分たちが求めるレベルを試合全体で維持できていない」
イラオラは初めてホームで采配を振った一戦を振り返り、チームの現在地と開幕までに取り組むべき課題を率直に語った。
試合全体の評価について
「リーズ戦とかなり似た試合だったと思う。前半、特に最初の30分間は本当に良いプレーができていた。ただ現時点では、おそらくあのレベルのプレーを続けるだけのものがまだ十分にない。その後、後半はモナコのほうがはるかに良かった。僕たちが前半に優位だったのと同じように、後半は彼らのほうが明らかに上だったし、逆転に値する内容だったと思う。」
複数の主力選手が今プレシーズン初出場となったこと、そして現在のコンディションについて
「選手によって状態には違いがあるけど、全体的には良いところにいると思う。今日が今プレシーズン初戦だった選手や、2試合目だった選手も、最初はしっかりエネルギーを持ってプレーできていた。ただ現時点での問題は、おそらく90分間そのエネルギーを維持できないことだ。時間が経つにつれて疲れが出てくる。そこは時間が必要だし、彼らとはもっとトレーニングを積まなければならない。今日の試合からはポジティブな部分もたくさん持ち帰れるけど、同時にネガティブな部分もたくさんあった。」
欠場した選手たちの状態について
「ジェレミー・ジャケについては、今日メンバーに入れるかどうか最後まで迷った。ただ、最終的には入れないことにした。少し時間がかかっているけど、それは予想していたことでもある。次の試合には問題なく間に合うはずだ。カーティスは毎日トレーニングしていたけど、昨日の練習後に股関節周辺に少し問題が出た。大きなものには見えないけど、リスクを冒す意味はなかった。現時点では、その2人が復帰に最も近い選手たちだと思う。」
プレシーズン4試合を終えた現在のチーム状況について
「今の僕たちを見ると、特に最初の2試合には勝ったけど、直近の2試合では自分たちが求めているレベルを試合を通して維持できていない。選手を何人か入れ替えたり、疲労が出始めたりすると、その強度を保てなくなっている。だから、まだやらなければならないことはある。」
アンフィールドのサポーターから受けた歓迎と声援について
「本当に素晴らしかった。本当にね。特に前半は、僕たちが前からどんどん仕掛けて、すべてがうまくいっていたから、みんなでその時間を楽しめていたと思う。ただ、後半は厳しかった。サポーターは『もっと前へ行け』と期待している。でも、こちらがそれに応えられず、自分たちが届けたかったものを見せられない。それはやっぱりフラストレーションが溜まることだよ。」
イラオラのアンフィールド初陣は、勝利で飾ることはできなかった。
それでも最初の30分間には、新監督がリヴァプールで実現しようとしているサッカーの一端が確かに見えていた。
前から圧力をかけ、テンポを上げ、相手を押し込む。イサクとヴィルツが得点を奪った時間帯には、アンフィールドの観客とピッチ上の選手たちが一体となる瞬間も生まれていた。
問題は、それをどこまで続けられるかだ。
リーズ戦に続いて後半に強度が落ち、試合の主導権を相手へ渡したことを、イラオラ自身も隠そうとはしなかった。主力の多くがプレシーズン初戦、あるいは2試合目という段階にある以上、コンディション面で改善の余地が大きいことも明らかだ。
だからこそ、この敗戦には意味がある。
開幕前の今だからこそ露呈した課題を修正し、良かった30分を45分へ、そして90分へと伸ばしていく。その作業こそが、残されたプレシーズンで最も重要になる。
アンフィールドで見えた“理想”と、それを支え切れなかった“現実”。
その距離をどこまで縮められるか――イラオラ率いる新生リヴァプールの開幕準備は、いよいよ最終段階へ入る。
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