アンドニ・イラオラが、プレミアリーグで初めてアンフィールドの指揮官席に立つ。
開幕節のニューカッスル戦を2-2で終えたリヴァプールは、次節でノッティンガム・フォレストをホームに迎える。イラオラにとっては、リヴァプール監督として迎える初のプレミアリーグ・アンフィールド戦だ。
「ここまで来るために、本当にたくさん戦ってきた。特別な瞬間になると思う」
一方、移籍市場では不足しているウイングの補強に取り組んでいることを改めて明言。「良いニュースが近いうちにあることを願っている」と語り、期限最終盤での動きにも含みを持たせた。
攻守のバランス、フラーフェンベルフら中盤に求める判断力、ニューカッスル戦で見えた手応え、そしてプレミアリーグデビューを飾ったジェレミー・ジャケへの評価――。ホーム初陣を前に、イラオラが新生リヴァプールの現在地を語った。
ウイングの獲得を目指していることについて
「みんな知っている通り、僕たちはそのポジションの選手を獲得しようとしている。ただ、これもみんな分かっていると思うけど、現時点で自分たちの選手ではない選手について話すことはできない。ただ、そのポジションを強化しようとしている、あるいは穴を埋めようとしているのは明らかだと思う。今の僕たちは、人数が足りていないからね。近いうちに良いニュースがあることを願っているけど、まだそこまでには至っていない。」
攻撃と守備のバランスについて
「そう、それが鍵だと思う。今言った“バランス”だね。攻撃面の良さや流動性、多くの人数をかけて攻め込むところは失いたくない。ただ、前の試合ではそこを突かれた。特に1失点目だね。僕たちは、攻撃後の守備の備えを適切にできていなかったと思う。そこについては間違いなく取り組んでいる。別に今週になって急に始めたことではないよ。常にコントロールしたいと思っている部分だ。ただ、そこにはバランスが必要になる。大勢を前に送り込むサッカーから、一転して誰も前へ行かず、攻撃参加する人数も減って、すべてが停滞して見えるようなサッカーにはしたくない。大事なのは状況を見極めることだ。毎回、監督がジョイスティックを持って選手を操作できるわけではない。優れた選手は、『これは本当に危険な状況だ。今は前に行くリスクを取れない。ここに残るべきだ』と察知できる。そういう判断をできることも、選手のクオリティのひとつだと思う。」
移籍市場が閉まるまでに補強できる自信について
「何が起こるかは分からない。僕自身も含めて、あと4日か5日は辛抱しなければならない。その後になれば分かるだろうね。9月1日、今回は2日かな、その時に『これが今の僕たちのスカッドで、これが使える選択肢だ』と言われれば、僕は落ち着けると思う。そこから初めて、『じゃあ、このポジションではこの選手を使おう』ということを本格的に考えられる。でも現時点では、まだ分からない。僕の頭の中には、どうしたいかという考えはある。クラブとも今になって話し始めたわけではなく、最初からずっと話をしているし、クラブ側も僕たちが何を求めているのか理解している。あとは、契約をまとめられるかどうかだね。」
リヴァプール監督として初めてプレミアリーグでアンフィールドに立つことについて
「間違いなく、自分にとって特別な瞬間になる。アンフィールドで初めてプレミアリーグの試合を指揮するんだからね。プレシーズンの時点でも、すでにその特別な感覚はあった。だから公式戦が始まれば、もちろん僕は試合のことや、考えなければならないことに集中する。でも感情的な瞬間になると思うし、それでいいと思っている。ここは特別な場所だからね。僕はここまで来るために本当にたくさん戦ってきた。だから、すべてがうまくいって、試合そのものも楽しめればいいと思っているよ。」
オリバー・グラスナー率いるノッティンガム・フォレストについて
「彼は非常に成功してきた監督だと思う。ここではプレミアリーグでもよく知っているし、僕たちも何度も対戦してきた。チームの形を見れば、すぐに特徴が分かる。簡単にはチャンスを与えないチームだ。この前のリーズ戦も非常に拮抗していて、チャンスの少ない試合だった。リーズが90分にFKを決めて勝ったけど、それまではむしろフォレストのほうが多くのチャンスを作っていたんじゃないかと思う。僕たちは、ひとつひとつのチャンスを自分たちで作り出さなければならない。彼らは何も簡単には与えてくれない。ボールを持った時に非常に良いプレーをしなければならないし、時には我慢も必要になる。守備がとても堅く、本当に良いチームだからね。それに前線にも、他のプレミアリーグのチームと同じように非常に良い選手がいる。特にトランジションでは危険な選手がいるから、そこをしっかりコントロールしなければならない。」
中盤の選手たちに求める規律について
「もちろん、全員で攻撃に行って、そのまま後ろを空っぽにするわけにはいかない。ただ、そこにもバランスがある。僕はライアン・フラーフェンベルフに『ボールを運ぶな、ボックスまで入っていくな』とは言いたくない。モナコ戦で決めたゴールを思い出してほしい。確か、フラーフェンベルフからソボスライへワンツーがあって、そこからアレックス(・イサク)へのパスでゴールが生まれた。その時、誰も僕に『なぜフラーフェンベルフとソボスライの2人を同時にボックスの手前まで上げたんだ?』なんて聞かなかった。みんな『素晴らしいゴールだ、最高のゴールだ』と言っていた。だから、そこにはバランスが必要なんだ。他の選手たちも状況を把握して、別のポジションでどう人数のバランスを取るかを判断する必要がある。時にはリスクを受け入れなければならない。選手たちに常に『相手陣内にいるから、ここから動くな』というようなことも言いたくない。例えば、片方のサイドバックが上がったら、もう片方は必ず残れ、という単純な話でもない。状況次第なんだ。相手がどこにいるのかにもよる。相手がかなり低い位置にいて、こちらが後ろに十分な人数を残せているなら、前へ行ったほうが安全な場合もある。逆に、相手が前に選手を残しているなら注意しなければならない。そういう状況を見極められるようにすることが、今の僕たちの仕事だ。」
試合でより多くの“コントロール”を発揮するには
「正直、前の試合でもかなりうまく試合をコントロールできていたと思っている。もちろんトランジションから2失点しているから、『でも失点しているじゃないか』と言われれば、それはその通りだ。ただ、僕たちのボール保持には意味があったと思う。ただボールを持っていただけではなく、かなりダイレクトに攻めることもできていた。試合の多くの時間帯で、高い位置まで押し込めていたと思う。試合中の感覚として、こういうのは実際に感じるものなんだけど、ほとんどの時間帯でニューカッスルより僕たちのほうがゴールに近いと感じていた。もちろん勝てず、2-2で引き分けた。その事実を変えることはできない。ただ、初戦では本当に多くの良いことができたと思っている。」
ジェレミー・ジャケのプレミアリーグデビューについて
「全体的に見れば、とても良いプレーをしたと思う。初めての試合だったし、プレシーズンでも実質45分程度しかプレーしていなかったことを考えれば、なおさらだ。確かに最後は疲れていた。交代させたのも、最後の5分くらいで疲労が出ているのを感じたからだ。特にセンターバックは、そういうところが分かりやすい。でもボールを持った時には非常に自信を持っていたし、ボールを持っていない時のプレーも良かった。まだすごく若いし、新加入の選手でもある。もちろんこれからミスもするだろう。そこは僕たちも受け入れなければならない。ただ、今のところ試合でもトレーニングでも、本当に良いパフォーマンスを見せてくれているよ。」
ニューカッスル戦で見えたのは、イラオラのリヴァプールが持つ可能性と、同時に避けては通れない課題だった。
多くの人数を前線へ送り込み、相手陣内で試合を進める。その攻撃性を失えば、イラオラが求めるサッカーそのものが薄れてしまう。
だからといって、カウンターを恐れて後ろに人数を残し続けるわけにもいかない。
重要なのは、「誰が上がるか」ではなく、その瞬間に誰が危険を察知し、どこでバランスを取るのか。指揮官が求めているのは、選手自身がピッチ上で状況を読み、最適な判断を下せるチームだ。
そして、そのチームをさらに完成形へ近づけるため、クラブは移籍市場でも動いている。
特にウイングについては、イラオラ自身が「人数が足りない」と明言した。残された時間で、スカッドを本当に向上させる戦力を加えられるかも大きな焦点になる。
その前に待つのが、アンフィールドでのフォレスト戦だ。
「ここは特別な場所」――。プレミアリーグ初勝利、アンフィールドでの公式戦初陣、そして移籍市場最終盤。イラオラのリヴァプールにとって、大きな意味を持つ数日間が始まる。
参照↓




コメント