アンドニ・イラオラ監督が、アメリカ・シカゴで行われた記者会見で、新シーズンへ向けたチーム作りの青写真を明かした。
プレシーズンの重要性から移籍市場の動向、アリソン・ベッカーへの信頼、ドミニク・ソボスライとの契約延長、副キャプテン選びまで、多岐にわたるテーマについて語った新指揮官。その中でも最も注目を集めたのは、「ウイングは間違いなく補強が必要」と明言したことだった。
さらにソボスライについては、「私がクラブに来てから最も良いニュースの一つ」と契約延長を歓迎し、「これからのチームを率いるリーダーにならなければならない」と最大級の期待を寄せている。
プレシーズンの親善試合の重要性について
「プレシーズンは、これから始まる長いシーズンの土台になるものだと思っている。ただ、新しいクラブへ来たばかりの監督にとっては、それ以上に重要だ。十分なトレーニング時間もなければ、親善試合の数も限られているからね。開幕までに5試合の親善試合を戦う予定なので、すべてのトレーニング、すべての試合が私たちにとって非常に重要になる。チーム全員でしっかりトレーニングできる日数は決して多くない。だからこそ、親善試合から得られるものはすべて吸収しなければならない。シーズン開幕を最高の状態で迎えたいし、結局のところ、一番良いトレーニングは実戦だからね。」
残りの移籍市場で何人補強が必要かについて
「具体的な人数を挙げるのは難しい。市場はまだ開いているし、チームを強化できる可能性には常に目を向けなければならない。補強が必要だとはっきり分かっているポジションもある。例えばウイングだ。そこは間違いなく補強しなければならない。一方で、市場の状況や移籍金、そして今いる選手たちをどう評価するかによって判断しなければならないポジションもある。信頼している負傷中の選手もいるが、現状が理想的とは言えないポジションもある。だから、多くの要素を見ながら判断していくことになる。」
アリソンの将来について
「今のGK陣にはとても満足している。アリソンがいて、ジョルジ(ママルダシュヴィリ)がいる。例えばアルミン(ペーチ)はレンタルへ出す予定だが、それは彼が成長段階にあるからだ。一方で、経験豊富なGKが揃っていることは私たちにとって大きな安心材料だ。フレディ(ウッドマン)も昨シーズンに試合へ出場しているし、非常に信頼できるメンバーだ。そしてアリソンはロッカールームでも非常に重要な存在だ。経験豊富な選手が何人かチームを去った今、新加入選手や若い選手たちがチームへ適応する上で、彼は間違いなく大きな助けになる。フィルジル(ファン・ダイク)、アリソン、ジョー・ゴメスのように長年クラブにいる選手たちは、私たちにとって欠かせない存在なんだ。彼らがチームを支えてくれると確信している。」
右サイドバックの補強について
「これはコナー(ブラッドリー)の状況次第だ。もし彼が健康で万全なら、私たちは非常に満足しているし、右サイドバックについて悩む必要はない。ただ現状は少し難しい。長期的にはコナーを右サイドバックの中心選手として信頼している。しかし、現時点では復帰までまだ少し時間がかかる。センターバックもそうだが、右サイドバックも守備陣の層が非常に薄い状況だ。だから、その解決策を探しているところだ。」
ソボスライの契約延長とリーダーシップについて
「私がこのクラブへ来てから、一番良いニュースの一つだった。彼がクラブへの忠誠を示し、新契約を結んでくれたことは本当に素晴らしい。しかも、彼は最高のコンディションで戻ってきた。トレーニングでは常に模範を示し、誰よりもハードワークしている。若い選手たちは、彼がどのように練習し、どのように競争しているかを見習うべきだ。間違いなく、彼はこれからのチームを引っ張るリーダーの一人にならなければならない。私は彼と一緒に仕事をすることを楽しみにしている。彼が最も力を発揮できるようにサポートし、快適にプレーできる環境を整えたい。昨シーズンも非常に素晴らしいシーズンだったと思う。そして可能であれば、さらにそのレベルを引き上げたい。」
副キャプテンについて
「その件については、プレシーズンがもう少し進んでから決めたい。まだチームの半分近い選手とは直接会えていないからね。適切なタイミングで決断する。ただ、私はいつも思っている。リーダーになるために腕章は必要ない。イングランドでは腕章に特別な意味があることは理解している。でも私は、腕章を巻いていなくても素晴らしいキャプテンやリーダーを何人も見てきた。チームを引っ張ることも、重要な存在になることも、腕章があるかどうかとは関係ない。私たちに必要なのは一人や二人の副キャプテンではない。ピッチ上にできるだけ多くのキャプテンが必要なんだ。腕章を誰が着けるかに関係なく、多くの選手がチームを引っ張ってくれると信じている。」
今回の会見では、イラオラ監督が目指すリヴァプールの姿が、これまで以上にはっきりと見えてきた。
補強については、「市場の状況を見ながら判断する」と慎重な姿勢を示しつつも、ウイングの補強は必要不可欠であることを明言。さらに、コナー・ブラッドリーの負傷状況を踏まえ、右サイドバックとセンターバックの層の薄さにも言及し、守備陣の強化も重要課題であることを認めた。
一方で、チームの中心となる既存戦力への信頼は揺るがない。アリソンをロッカールームの支柱として評価し、ファン・ダイクやジョー・ゴメスとともに新加入選手や若手を導く存在として期待。そしてソボスライには、「これからのリーダー」としてクラブの未来を託す考えを明確にした。
「腕章がなくてもリーダーになれる。」
その言葉は、イラオラ監督が求めているのが、一人のキャプテンに頼るチームではなく、ピッチ上の全員が責任を背負い、仲間を鼓舞できる集団であることを示している。
補強と育成、経験と若さ――そのすべてを融合させながら、新指揮官は新たなリヴァプールを着実に形作ろうとしている。
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